大阪市動物管理センター(おおさかワンニャンセンター)
- 所在地:〒559-0021 大阪市住之江区柴谷2-5-74
- 電話番号:06-6685-3700
- ファックス番号:06-6686-4507
南港通りを南港方面へ1本目の橋の手前、宅急便の物流センター向かいになり近くに電車が走っていないので車でのアクセスになります。
こちらが建物の裏側です。
ここはどのような施設か?
「保健所」と書いた方がパッと想像できるかもしれませんが、捨てられた犬猫の行きつく最終施設になります。
ペットショップを光とするならば、この施設が影になります。
光と影は一対なので、日本全国どこの自治体でもこのような施設があります。
こちらの施設はいつでも見学ができ
見学届を提出し担当が案内をしてくれます。
犬猫の引き取りは随時行われています。
また、里親を希望する場合は
事前に登録が必要になります。
譲渡会は毎月第2・第4の水曜日(祝日を除く)に開催されています。
建物は築38年と古く、今まで犬猫の殺処分が行われてきた場所ですから決して「明るい」「楽しい」という雰囲気ではありません。
入ってすぐの部屋で保護及び持ち込まれた犬猫を見れます。
4坪ほどの大きなゲージが4つあり、まとめられて収容されています。
写真を撮りたかったのですが、施設のポリシーで撮影が不可でした。
↓は同じ施設内になりますが、撮影が許可されたものになります。
要はこれのデカい版で、とても寂しい造りになっています。
当然見て良い気分になれる画ではありません。
ただ
「コレが現実」という意味では、本来は多くの人に見てもらうべき光景だと個人的に思います。
そして
ものすごく驚きましたが、収容されていた犬の数がたった3匹でした。
この施設に来るのは3回目になりますが、初めて来た時は犬だけでゆうに50匹を超え4つのゲージがパンパンでした。
この時は1991年 平成3年になります。
(出典:大阪市)
当時の年間の犬猫を併せた殺処分数が9,081匹
1日あたり24.8匹の計算になるので、僕の記憶と相違がないと思います。
(出典:大阪市)
こちらが「犬」になりますが、右肩下がりのグラフで特に昨年平成28年度の殺処分数は40匹です。
この減少数には正直驚きました。
ぶっちゃけ、昔は「来るもの拒まず」状態でほぼ制限がなく引き取られていました。
詳細については書きませんが、現在は引き取りに制限を設け安易に受け入れないように方針が変わりました。
(出典:大阪市)
こちらが「猫」になります。
右肩下がりではあるものの犬に比べ数が多いです。
これは大半が「野良猫」で、中にはへその緒が付いた産まれてすぐの子猫も持ち込まれるのが原因です。
少し前から大阪市では野良猫を捕まえ去勢避妊手術をしています。
平成18年以降から確実に減ってきていますが、この活動がしっかり数字に反映されてきたと思います。
全国的に殺処分が減少傾向になりましたが、これは動物愛護団体(大小様々な組織 任意団体/NPO法人)の確立活躍によるものです。
つまり
あくまでも数字のロジックで「殺処分は免れたものの飼い主に捨てられた不幸なペット」はさほど減少していないと言えます。
が!
今までの行政による無慈悲な殺処分から民間の受け皿が出来たことは素晴らしい事だと思います。
こちらの施設には「治療室」があり、病気や怪我で傷ついた犬猫の治療をはじめ
去勢避妊手術まで行い、命を繋ぎとめる努力をしています。
ただ、中には譲渡できない状態の犬猫もいます。
その場合は残念ながら殺処分になります。
どのように殺されるのか?
これも書くべきですよね…。
子猫のみ注射による安楽死になり、基本は炭酸ガスを使用します。
炭酸ガスとは二酸化炭素の事で、高濃度に圧縮した炭酸ガスをガス室に送り込み窒息させます。
濃度を徐々に上げていくと苦しむ時間が長くなるので、この施設では高濃度炭酸ガスを使用しますが、それでも苦しみながら死んでいきます。
どれぐらいの時間がかかるかは公表されていませんが、予算の都合か全国的に炭酸ガスを用いるのが一般的なようです。
この施設には火葬場がないので、契約業者がその後の処理をします。
施設の奥には「ふれあい広場」があります。
その一角に
慰霊碑があります。
僕が初めて来たのが11歳の時でした。
今でもうっすら脳裏にありますが、ここで死を待つ犬や猫は本当に怯えた顔をしています。
死を悟り無気力な犬
飼い主に捨てられ人間不信になった犬
虐待を受け牙をむく犬
尻尾を振ってひたすらアピールをする犬
ペットショップに並ぶ犬とは全く違う異様な光景でした。
これから犬猫を飼う予定の方は、今一度「小さな命との向き合い方」を確認して下さい。