先日とある方と【特定外来生物】について軽くお話をする機会がありまして、そこで出てきた「ブラックバス(オオクチバス)の“養殖”」というワード
『ブラックバスとか言うても養殖もしてるからなぁ…』
『へっ???』
『いや…特定ですよね?』
僕自身は「生き物」に疎いのでそこまで頭が回らなかったと言うか考えてもいませんでしたが、日本国内では現在でもブラックバスの養殖が事業として残っています。
・ブラックバスとは?
Micropterus属の一種または全種を指して用いられる俗称であり、「ブラックバス」という名前の特定の魚類の種やグループは存在せず「オオクチバス属」と訳される。
北米大陸原産の食用淡水魚であり、獰猛な肉食性から「世界の侵略的外来種ワースト100」にノミネートされ日本国内では2005年6月に「特定外来生物」に指定。
時同じく1ヵ月ぐらい前に
YouTubeでこのような動画がアップされました。場所は「霞ヶ浦」の近くなので茨城県になり、関東地方環境事務所の管轄になります。
ブラックバスと言えば「ゲームフィッシング(ルアー)」が有名であり愛好家も多いのかな?(※詳しくは知らん)
「特定外来生物」に指定された種は外来生物法で規制されているので本来は「生きたままの運搬」「飼養(許可制)」「輸入・販売・頒布」等々が不可となります。
普通であれば『あれっいいの?』と思われるかもしれませんが、この事業者さんも含め「特例」を認められた場合は事業継続も可能となります。つまり2005年6月以前から「養殖業」をされていた場合ですね!
要はね!
全国の「管理釣り場」向けの生体の養殖、一部食用って所かな?
この事業者さんは
同じく2005年6月に「特定外来生物」に指定された【アメリカナマズ】も養殖されています。あとは鯉とか鮒とか。
これねぇ…すっげーセンシティブな内容と思うんですよね!
ちょっと長いから全部は観ていません…たぶん利根川水系と霞ヶ浦の話だと思いますが、現状はアメリカナマズすら数を減らしているそうです。
中国四大家魚の一つである【ハクレン】。今や「ハクレンジャンプ」も有名になったのかな?「煮ても焼いても食えぬ魚」と酷評されているそうですが、コイツがかなり増えているそうです。
日本の外来種の「移入問題」を考えた場合にパッと名前が挙がるものだけでも「ウシガエル」「アメリカザリガニ」「ウチダザリガニ」「スクミリンゴガイ」等々ことごとく失敗してますよ?
理由は簡単不味いから!
テレビ東京の「池の水ぜんぶ抜く大作戦」でも有名になり昨今は「外来種」が社会問題として取り上げられる機会が増えたと存じますが、本質的な問題としては「特定」に指定された種の「移入時期」であって、その多くが戦前であり「欲しがりません勝つまでは」の精神で大国相手に必死に戦争をしていた時期ですよね?
日本国は周りを海で囲われた島国なので海洋資源が非常に豊かです。泥臭い生き物がウケるわけ無いんだよねw
ウチダザリガニは「レイクロブスター」とも呼ばれているそうですが…
“本物”に勝てると思うか?
例えばアメリカ合衆国の東海岸(NY)と西海岸(LA)の直線距離は約4,500㎞で時差は3時間です。中国にしても海岸に接する面積はしれています。それが「大陸」であり内陸部の人たちは少々泥臭く不味い物で選択肢が無いわけですね!
まぁいいや。
・外来生物法とは?
すっげー疑問www
ちょうど本日8月28日に「昆虫類等陸生節足動物」のグループ会合が開催されます。外来生物法の運用にあたってはこのような会合を行わないと新たな指定ができないわけですが、呼ばれる識者は原則的に環境省が決めるし「結論ありき」の出来レースなんだから『省けば?』とは個人的に思ったりもしますけどね(笑)。だってさぁ、霞が関まで識者を呼びつけるにも税金が使われるんですよ。
外来生物法の運用にあたっては以前に『もし制度疲労を起こしているなら新法を~』と書いたことがありますが、「制度疲労」ではなくそもそも「制度設計」自体に問題があると思っています。
結局「生き物」は奥が深すぎて研究者以外は発言しにくい土壌になっていると思いますが、それを見張る「評論家」が不在だからガバガバで作っちゃったんだろうねw
「省」かどうかも怪しい官庁だし、割り当てられた年間予算を考えれば…“本物”の評論家なんておらんだろうねw。言うて悪いけど実務をこなしていけば多少は生き物に詳しくなるんだろうけど、環境省の職員だって入省するまでは「素人」でしょ。
個人的にはどうでもいいんだけど、「特定種の養殖」なんて破壊力があるパワーワードが出てくると「保全側」はたまらんだろうねw
でだ!
僕が一番伝えたいことは数十年も前に日本へ移入され繁殖定着(帰化)したような生き物と「ヒアリ」や「セアカゴケグモ」等のヤバい生き物を同じ法律で縛ること自体に無理があるんじゃないの?ってこと。
そもそも特定外来生物って何なのよ?の話にならない?
本音はともかく“建て前”で「危険」と判断されたから規制の対象になったわけだよね?
今回の「ブラックバスの養殖」もそうだけど…あんまり書いたら怒られるかな?(笑)
一般市民には何ら関係ない話だし14年前に規制されているとはいえ、「養殖業者」「管理釣り場事業者」「メーカー」「釣り人」のマーケットが確立されており利益が守られているわけですね!
これはどの分野でもそうですが、新法の施行に伴いそれまでの生業は絶対に守られるべきという考え方になります。
まぁ…全部ひっくるめて…
既得権益と言います!
これが「良い」のか「悪い」のかは僕には判断できませんけどねw
とにかくね!
僕がわざわざ書かなくても外来生物法がいかにガバガバなのか?なんてちょっと調べるだけで出てきます。今後指定されそうな「ヤバめの外来種」を飼育してる人はしっかり勉強して理論武装して下さいね。
まぁ…環境省が『これが法律だ!』って言うんだったら、こっちもルールに則って隙間を突けばいいんだよw
終わり。