ベランダでの作業中 ふと見ると…
やってますねー。夕方ごろ。
多頭飼育中の水槽です。
オス4 メス2の組み合わせです。
全て同じ色味なのでどの組み合わせでもOKです。
結合部がどうなってるか確認しようと思いましたが、水面が波打ってるし光が反射してるし忙しいしパス!
ちなみに
セメント線は出てないですね!
出てなくても交尾はします。
ザリガニの交尾はオスが【精包】をメスに渡し、メスが頃合いになると受精させ卵を産み【抱卵】という流れになります。
そして、この渡した【精包】は最大で半年ほど保つそうです。
つまり?
メス1匹を家に持ち帰り数カ月後に抱卵ふ化するケースはすでに交尾をしていたと考えられます。
家庭で「単独飼育」をしている場合は
メスの尻尾の裏側に白い分泌物「セメント線」が出たことを確認してからペアリング(交配)をさせるのが一般的になります。
オスは足の根元に「トゲ(黄丸)」があれば交尾ができるフィームになり、青く囲った2本の管(精管?)で精包をメスに渡します。
ここまでは調べれば簡単に出てきます。
何の疑いもなくコレの通りに実行してる人が多いと思いますが、僕から言わせれば正に教科書通りですね!
確かにその頃合いで小さな容器でペアリングを行えば80%以上の確率で交尾をすると思うので、決して間違いとは言えないですが…
でも「成立」しない場合も度々目にしませんか?
『オスもメスも繁殖フォームなのに…』なんて思ったりしますかね?
だから「教科書通り」なんですよ!
要は知識ばっかり頭に詰め込んで固定概念でガッチガチなんですよね。
自衛隊で例えたら中央の「背広組」ってところ。(※そんな良いものではない!)
イラク派遣時の悲惨な話を知ってるかな?
ザリガニを飼育するのであれば徹底的に「現場」を自分の目で確認して「制服組」のトップである「幕僚長」を目指すべき!その方が政界にも進出しやすいからね!(※僕は目指していません!)
どのみちね、「幕僚長」の椅子は陸海空でそれぞれ各1だから絶対に狙えないんだけど「ソレを目指すぐらいの意気込み」は持っておいた方が。ってところですね!
こういう書き方をするとすぐに勘違いをされそうなんだけど、あくまでも「指摘」であって「悪口」ではないからね!
このあたりについては【第3回 多頭飼育論】内でめちゃくちゃかみ砕いていろいろと説明としますね!
『始めは誰もが無知なんだ!』って事で、知らない事があっても恥ずべきことではないんですね!(そんな感じ。)
あとは…
僕のブログを定期的に読んでくれている方でも『多頭飼育はわかった。だからどうすればいい?』と思う人もおられると思います。
そういうわけで、僕のザリガニ水槽作りのポイントも紹介したいと思います。
ざっくり言うと「加点方式」と「減点方式」ですね!
本題(?)に戻り…
こちらも【多頭飼育論】の方で書こうと思ってた内容ですが、このペアリングについて少し補足します。
メスは大きなハサミが両方無くても交尾ができます。
これもセメント線が出てないね!
オスはメスの体をガッチリ掴む必要があるのでできれば2本とも揃っている方が良いですね!
・飼育下でハサミが取れやすい組み合わせはあるのか?
必要以上に生体を傷つけたくないので全パターンを幾度も試したわけではありませんが、ハサミが取れやすい組み合わせがあります。
ズバリ!!!
【繁殖フォームのオス & 非繁殖フォームのメス】の組み合わせになります。
およそ想像がつくと思いますが、オスは自分の種を残すためにがむしゃらになりますが、メスは当然受け入れ体制が整っていません。
要はメスが嫌がるんですよ!
でもね
これも「セメント線」が出てないメスになります。
そもそも「単独飼育」しかしてない人はこのタイミングで人工的な交配をさせないと思いますが、このメスにとっては今が正にオスを受け入れる「適時」なんですよ。(※嫌なら逃げます。)
・自然環境下では?
だだっ広い自然界で「お年頃」になったオスとメスがそう簡単に出会えると思いますか?(※環境&生体数にもよる)
ここで効いてくるのが「精包」の賞味期限というか消費期限というか寿命というかの「数カ月~半年」ですよね!
メスが交尾で「精包」さえ受け取っていればメスの任意(外部環境の変化に対応)のタイミングで産卵ができるんですね!
つまり?
メスの「セメント線」の発達はあくまでも「産卵をする為の前準備の1つ」であり交尾をする適切なタイミングかどうかは「メスの状態」にもよるので別の問題になります。(※なので100%にならない。)
・交尾が失敗するケース2
これはオスの問題ですね。
僕もかなり懐疑的ですが
オスについては「トゲ(黄丸)」さえ出ていればという記述ばかりですが、成長したアダルトサイズってほぼ出てないかな?
今のところ繁殖に力を入れてないし、我が家の水槽は複雑に作り込んでいるので特定の1匹だけを水槽から出す事ができない(※ザリガニ釣りなら可能)ので確認してませんが出てるよね?
ただ、オスにも繁殖ができる「フォーム」があるとされています。
そういえば…
「多頭飼育」をしてれば気付きますが、以前まで飼育してたこの「トゲ」が出てるTL8.5㎝のオスは全くメスに見向きをしませんでした。
そう、常にエサを(๑´ㅂ`๑)ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"
完全に「我が道を行く状態」です。ひょっとしたら「非繁殖フォーム」だったのかな?
こういうオスを選ぶと交配が失敗しますが、当然ながら「単独飼育」では判別不可能になります。
でもね、『じゃあ1時間後なら?』…
検証する価値があるのかないのか難しいよね?
・交尾が失敗するケース3
そもそもオスとの相性が悪い場合です。
基本的にオスはメスを選びません。これは「種の保存(子孫を残す)」の観点から将来的な外部環境の変化にも対応するために遺伝子が異なる複数のメスと交尾をしたがります。(※人間?浮気?それは知らん。勝手にやれ。)
一方のメスは最高の遺伝子を求めて「オスを選ぶ」傾向がありますね!
・作為的な交配の問題点
今のザリガニ飼育の主流は色味。
つまり発色至上主義ですよね?
要は新しい色味を作る事が優先順位の1位だから「この色のオスとこの色のメスでなんとか…」と明確な目的(スケベ心)があるので相性度外視で交配をさせますよね?
まぁ『主人公は誰なんだ?』って話ですよ。
ザリガニのメスは抱卵後に卵が孵化するまで酸欠にならないように尻尾を揺すって見守りますよね?これを見る限り金魚やメダカよりも「知能」が高いと思われます。
相手ぐらい好きに選ばせようや?
・交配を100%成功させるには?
これは簡単です!
同じ血統、同じ色味のザリガニを複数匹購入し成り行きに任せて「数撃てば当たる」状況にしてあげることです。
その代わり、当然のごとく水槽の数も現在の数倍は必要になるので「導入コスト」と「設置場所」を覚悟する必要があります。
だから「本音」が先行して小さな隔離スペースで「単独飼育」をする人が多いと思いますが、繁殖販売を生業とするプロや生体を調べる研究機関ならスペースの問題で致し方ないと思います。
素人がソレを真似してもね…
ちなみに!
僕が考える「最上級の多頭飼育水槽」とは「ガッチガチに作り込んだ90㎝オーバーフロー水槽にオスメスの1ペア計2匹」なんですね!
『1日に1回は顔を合わせるかな?』が理想ですが、経済的な観点から現実的ではありませんよね(笑)
それに
規格90㎝水槽(ガラス)に砂利と水を入れただけで重量が200㎏ぐらいになり、それを1部屋に5個も置くと…1t…いっとんw
「本気」でやるならそれぐらいの覚悟が必要って事です。
せいぜい…
オスメスの1ペア 計2匹
オスメスの2ペア 計4匹
・規格90㎝水槽
オスメスの3ペア 計6匹
安全に「多頭飼育」をするならば、これぐらいがいろんな意味で上限になってくると思います。
僕はもっと詰め込みますけどね!
そういうわけで…
何かと難しい(上手くいかない)ザリガニの交配には『このような可能性もあるんじゃないの?』のお話でした。
おしまい。