大阪市民の皆さまごきげんよう。今年はCOVID-19の感染拡大に伴い色々な自粛を強いられ『せや、ザリガニ釣りにでも行こう!』そう思われた方もいてたことでしょう。
『あれっ…水がない…』
『ザリガニがいない…』
現在大阪城公園内の「人工の小川」は2020年4月28日より上水が止められ「かいぼり」状態になっています。
本日8月19日の時点で4ヶ月弱が経過しこの小川に生息していた水生生物は全て絶滅したと考えられます。
週末や夏休みシーズンには大阪市民の憩いの場として多くの家族連れで非常に活気があった場所ですが、現在は見る影もなく人が寄り付かない場所に成り果てました。
春先にはこのような看板が設置され「3密」を避ける意味で「花見」も自粛に切り替わりましたよね。
この小川についても密集を避ける為に上水が止められた…は表向きになりますが、実はもう一つの懸念材料がありました。たぶん一般的にもニュース等で報道されていなかったと思いますが、ある国の事例に基づき対策が施されました。(※見逃しは許されない。)
【2020年8月12日 撮影】
こちらが直近の小川です。
【2017年9月 撮影】
【2017年6月 撮影】
いや~残念ですね。
現在大阪市内で「アメリカザリガニ」が生息(定着)確認されている場所は大きく2ヵ所です。
2.城北ワンド(広すぎ)
大阪市内はそれなりの数の都市公園があり「鶴見緑地」にもいてるらしいですが、あの場所は誰も行かないし大阪市なのか微妙なので割愛。
とりあえず「池」もそれなりにありますが、ライギョ、鯉、ブラックバス、ブルーギル、アカミミガメ、ウシガエル等の上位種の勢力拡大によってほぼほぼ姿を消しました。もちろん0ではないので運が良ければ「放流個体」を見つける事ができるかもしれませんね。
そうです!
大阪市内ではこの30年ほどの間で「アメリカザリガニ」がほぼ地域絶滅に追い込まれ現在でも生き残っている場所がおよそ上記の2ヵ所になります。
これは何も大阪市に限った話ではなく東京23区や横浜市、その他の都市部では同じ傾向になると思います。つまり30年前に比べ日本国内のアメリカザリガニの生息数が確実に減ったと考えられます。
先にこの話をもう少し掘り下げたいと思います。
2020年6月に大阪市立自然史博物館へ行き外来生物の特別展を見てきました。
テレビ東京系列で絶賛放送中の【池の水ぜんぶ抜く大作戦】の影響もあり、昨今は「外来種問題」が社会問題として取り上げられる機会が増し今まで無関心だった一般層にも広く認識されだしたと存じます。
何を始めるにせよ「知る」ということが非常に重要であって、その為には実際に自分の目で確認し自分の頭で考えること。要は自分でアクションを起こすことで知見を深める事ができます。
インターネット上で簡単に見つかる「答え」はどのようなバイアスが掛かっているのかわからないので鵜呑みにすると非常に危険です。
中には『外来種は見つけ次第殺してしまえ!』みたいなトンチンカンな野蛮な意見も確認できますが、そのような方々は環境省のHPを一度熟読することを強くオススメします。
【1992年(平成4年)の教科書】
予てからアメリカザリガニが異常なほど悪者にされている風潮に疑問を覚えていましたが、ここに来てやっと意味が分かりました。
コレは1992年(平成4年)なので僕が小学6年生当時の教科書(※28年前)ですね。赤で囲った部分には「後で元にいた場所に戻してあげよう」と書かれています。
【2020年(令和2年)の教科書】
青で囲った部分には「外に放したり逃がしたりせず、家でしっかり飼い続けよう」に変更されています。
なるほどね~
時代に合わせて教科書の内容が変わることは特段不思議でもなく当たり前と言えば当たり前です。ですが、息子への教育への観点から30年ぶりに水生生物の飼育を再開した僕にとっては少し引っ掛かることがあります。
この30年で全国的にアメリカザリガニが爆発的に生息域を拡大したのであれば危険視されても当然ですが、むしろ国内の総数は減らしているわけです。
もちろん都市部の話ね!
いや、地方部でも農薬を使ってた所はアメリカザリガニが消えたハズなんです。
つ ま り ?
アメリカザリガニによる被害としては水草を刈ったり、水生昆虫を捕食したりと自然下への影響が懸念されています。日本は狭いようで広いから探せばそのような事例がそれなりに出てくると思いますが、所詮は田舎の話であり中途半端に人の手が入った中途半端な自然下で起きている事例だと思います。
声がデカい識者はSNSを使ってアメリカザリガニの危険性を訴えているようですが、そもそもアメリカザリガニがいない都市部はアメリカザリガニの被害なんて皆無なんだけどね。その都市部において日本の総人口の何割をカバーしているのか?
都市部に住む人たちに『アメザリは危険ですよー。』と叫んだところでそんな声は届かないし、そもそもいないから何が危険なのかすらわからないんだよね。仮に子供たちに同じことを言っても『挟まれたら血が出るのかな?』たぶんこの程度ですよ。
どういうことか?
都市部に住む人たちは周りに自然が無いから「外来種」とか言われても比較対象がよくわからないし、僕の周りでもそうですがそもそも視界に入ってないのね(笑)。で、そういうトンチンカンな人間が大多数だって話なのね。
現在アメリカザリガニによる被害が報告されている地域は少数派の田舎ですが、声がデカいから環境省も真に受けてそのまま拾っちゃうのね。そもそも環境省なんて個別事案を含む全国の現状なんて知らないし、事件は会議室で起こっている論文バカ。
オマケで書いておくと甲殻類の専門家が非常に少ないから識者間の力関係なんかも影響してくるだろうし、趣味として飼育してる人も少なくアメリカザリガニについて圧倒的知識不足でまともなディベートすらできないので常にサンドバックになる。
SNS上ではあたかも日本全国でアメリカザリガニによる被害があるかのごとくミスリードが行われていますが、都市部に住む人たちは大阪ならUSJ、東京ならTDL等の行楽地や繁華街で遊ぶ方が圧倒的に楽しいし、生き物に興味が無い人の方が圧倒的に多いからいちいち反論しないんですよね。少数派はソコをわかってないよね?
28年前の世論なんて知りませんが、この当時はどれくらいの社会問題になっていたのかご存知ですかね?僕は知らないけど。
たぶん気のせいだと思いますが、アメリカザリガニに対する一方的な言いがかりっていわゆる「徴用工訴訟」や「従軍慰安婦」に近い物を感じるんですけどね。たぶん気のせいだと思うんだけど。
アメリカザリガニは1927年に神奈川県鎌倉郡(当時)に移入されたのが始まりです。すでに1世紀近く経ち何を今さら騒ぐことがあるのか?
実際に奈良県の複数の農家さんにお話を伺ったことがありますが、特に稲作においてはアメリカザリガニによる被害が確認されています。主に稲を刈ったり畦に穴を開けたりになりますが、稲を育てる工程に「アメザリの駆除」が入っておりルーティン化してるからいちいち騒がないし粛々と進めて終わり。農薬を使っている場合は被害なし。
自然環境に与える被害も確認されていますが、「本当の自然」にはアメリカザリガニは入り込んでいないから被害が確認されている地域には何かしらの要因があると考えられます。
SNS上では『アメリカザリガニが入ってきてこんな悲惨な池になりました~』みたいな感じの投稿を一度くらいは観たことがあるかもしれませんね。
『アメザリはけしからん』
必ずと言っていいほどこうなりますが、僕から言わせれば『あぁ…また田舎者がなんか言っとるわw』ぐらい。
別にアメリカザリガニによる環境破壊を全て否定するわけではありませんが、アメリカザリガニのみによる純粋な被害を算出できるんですかね?決めつけた意見が物凄く多いように感じますが?
現在日本国内の自然へ悪さをしている生き物は北米大陸出身が多く「ミシシッピアカミミガメ」なんて寿命が長いし天敵がいないしアメリカザリガニを捕食するしね?それにコレら一連の投稿には大事なことが抜けています。
『何でソコにおるの?』
こういう質問をすると『へっ?』とか言いそうなんだけど、アメリカザリガニは神奈川県に移入されたんですよ。神奈川県民が阿鼻叫喚になるのならまだしも、声を上げている多くがソレ以外の地域なんですよね。
アメリカザリガニは日本へ移入されたのち約30年ほどで全国に広まったとされています。この当時の時代背景は「戦前」「戦中」「戦後」になりますが、視野が狭く結論ありきの連中は知らないだろうと思います。
あとはね、直近数年間でアメリカザリガニが増えてしまった地域も探せばあると思いますが、それは誰かが「放流」した結果でありアメリカザリガニを悪者にする前に「同郷人への魔女狩り」をすればいいし、実害が発生したのであれば証拠を突き付けて損害賠償請求をすればいいんだよ。それからでしょ。
あくまでも僕の個人的な意見になりますが、一方的にアメリカザリガニを悪者に仕立てる連中は上記の上位種の名前なんて持ち出さないし、自身にとって都合の良い部分だけを切り取りまるで本質を語らず『アベガー』を観てるみたい。たぶん気のせいだと思うんだけど。
環境省のグループ会合に呼ばれるような“大先生”がこのような発言をしているのであれば環境族は皆足並みを揃えてくることは容易に想像ができますけどね。
会合に呼ばれておきながら『改善の余地はないのですか?』ってかなりウケるんだけど、霞が関に呼びつけるにしても税金だからな?
生き物関連の識者って小さな頃から生き物が好きだったと思うんです。要は30や40になって脱サラから専門家を目指す奴なんてそういないと思いますが、仮に妻子持ちだったら翌日にはテーブルの上に離婚届が置いてあるんじゃない?(笑)
つ ま り ?
こ れ か な ?
ご立派な発言をしてるようだけど、もちろん「ザリガニ釣り」なんて一度もやらずに幼少期の頃から見つけ次第片っ端から駆除をしてきたんだよね?だから「絶対悪」に仕立て上げこのような発言ができるんだよね?
とまぁ…
あまり喧嘩腰で話を進めてもよろしくないし読解力がない人がこの記事を読めば『コイツは外来種容認派か!』に映ると思いますが、そもそも「外来種問題」は被害の全容を見極める事から始まり、性質が同じような事例であれば「駆除や防除」の観点からも全国的な情報の共有は意味を成すと思います。
要はね、『家の近くの池はこんな状態ですー』とか言われも『いや、知らんがな。勝手にせぇや』になるんですよ。
たとえばー。
僕は「お城」や「神社仏閣」が大好きですが、やっぱり大阪市内にはこのような趣や原風景が一切残ってないから一種のあこがれもあるんですよね!人間ってないものねだりだから!
奈良県の東大寺の近くのたぶん用水路になると思いますが、日本固有の在来種である「サワガニ」を発見しました。
この場所一帯は世界遺産にも登録されているのでアメリカザリガニがいれば似つかわしくないから、もしも僕がこの近くに住んでいれば直接的な被害は無いと思われますが駆除をしてたと思います。とかね?
現にアメリカザリガニによる被害が地域限定とはいえ確認されているので保全家連中の言い分も理解できるし、駆除や防除に取り組んでおられる方々の労力もおよそ想像ができます。
結局のところ滋賀県淡海湖周辺は非常に自然が豊かで多くの水生生物や野生動物が確認できましたが、この場所に生息するタンカイザリガニの何が危険視されたのか今でもわかりません。
ザリガニペストが気になる?環境省が本気で危険視してるであれば既にアメリカザリガニの輸入を全面禁止にしてるだろうし、してないってことは脅威と思ってないんでしょ。シランケド
つまり?
都市部においてはアメリカザリガニの被害なんて皆無だし、それこそ大阪市民のちびっ子達はお金をだして購入するケースの方が多いんですよね。たぶんこちらの立場なんて考えたことも無いだろうから知らないと思うけど。
っていうか!
ちょっと声がデカい程度の少数派の意見が何故まかり通るのか理解できません。そもそも「環境行政」に疎いので言った者勝ちなのかどうかは定かでありませんが、多数派を抑え込むには動機が薄いし何より全国一律ってただの「馬鹿基準」なんだけどね。COVID-19の対策においても散々目にしてきたと思いますが?
そうは言っても?
この記事を通して僕が一番伝えたいことは都市部、地方部それぞれに「正義」があるわけで、特に地方部には都市部の実情を知って貰わないとまともな議論にならないし、お互いの立場を理解しないと対立が生まれるんですよ。そう、立場が変われば観える“景色”も変わるからね。
まぁ理解した上で対立を望むのであれば最終的に「キリスト教 VS イスラム教」みたいになると思いますが。だよね?
オマケで書いておくと
この声高に叫ばれている【環境保全】って外来種問題が片付いたらほぼやる事が無くなるハズなんです。
勘違いしてる保全家も多いと思いますが、そもそも【環境保全】とは今ある自然環境を後世までしっかり残しましょう!
で は な い !
いろいろ調べていくと『昔はこうだった』みたいな意見が散見していますが、そもそも“昔”の定義が地域によってバラバラだし、その“昔”に戻すことが必ずしも「正解」とは言えない側面があります。
8月に入ってから全国的に記録的な暑さになっていますよね。北海道では30度を記録しているし、東京湾では蛇行する黒潮の影響もあって「初確認」の魚類が増えていますよね。
すでに2050年、2100年にはもっと地球環境が変わる予測が出ていますが、当然ながら今後は自然の摂理に基づき「絶滅」する動植物もそれなりに出てくるわけで、全てを守ることなんて不可能だし守ることが本来の【自然環境】からしてどうなのか?
要は「地球の歴史」であって「生命の歴史」になりますが、「繁栄と絶滅」はワンセットであって人の手によって下手に“延命”させるとその後のサイクルがどうなるのかわからないよね?特に保全“屋”連中は『俺の目の黒い内は~』になってることが多そうですが、コレを世間一般的に「オナニー」と言います。
非常にタイムリーな話題ですが、こんなド派手な事をやらかしてしまうと“元の状態”に戻さないといけません。日本国内であれば高度成長期に無駄に潰された自然を復活させるぐらい?でも復活させた後は“放置”しないといけないんだけど。だってそれが【自然】なんだから。
では、これらを踏まえ後編の【本編】に入りたいと思います。