それでは張り切って後編の【本編】を書いていきたいと思いますが、その前に【人工の小川】についてのおさらいになります。
場所はこの辺りです。
大阪市が大阪城公園内に作った人工物になりますが、実はどのような目的で作られたのかは不明です(笑)。野鳥の休憩(水浴び)等の理由もあるみたいですがとにかく不明です(笑)。
上下2段構造で5つのブロック分けができ、人が立ち入れるエリアだけで全長はゆうに100mを超えており一言で『金かかってんなぁ~』です。
2年ぐらい前にこの人工物を大阪市建設局に一週間ほどかけて調べて貰いましたが…何とビックリ詳細な情報が何一つ残っていない意味不明な人工物でした。
唯一判明したのが「昭和60年代に造られた」のみで、ちょうど大阪城公園の大規模リニューアル工事の一環で造られた…だけです。
なるほどね~
昭和60年代(60~64年)は西暦にすると1985年~1989年。つまりバブル絶頂期であり日経平均株価が史上最高値を付けたのが1989(平成元)年12月29日の大納会であり終値は38,915円87銭。(※最高値は38,957円44銭)
ちょうど官民の給与格差が広がりだしアレコレと手当てが付きだし、公共事業においては賄賂やキックバックで盛り上がっていた頃か…なるほどw。
たぶんだけど、現在の施工費の5倍以上の費用を無駄に計上していたハズなので…そりゃ関連資料を残さん…残せんわなw。
【 メイン配水口 】
上流域の一番上に水が出てくる配水口があり他にも中間地点に2~3ヵ所あるので1秒あたりの総配水量は不明ですがなかなかの流量といえます。無色透明の綺麗な水ですよね?
大阪城公園の近くにある「中浜下水処理場」からろ過された水が大阪城の「東外堀」と「南外堀」に配水され、その一部が更に分岐され「人工の小川」へ配水されています。つまり24時間365日止まることなく垂れ流しです。
これは緊急事態宣言が解除された当日に撮影をしていますが、この時点で止水から約3週間経っており少し水位が下がったような感じがします。
7月が例年に比べ雨量が多かったような梅雨が長ったような…。外堀については最低水位が決められているそうで少なくなったら水を流し水位を上げるオペレーション…ただし「人工の小川」は弁を締めて絶対に流さない。とか。
大都会のど真ん中にありながら下手な自然よりも自然を感じれる良い場所でしたよね。小さなお子さん連れならお弁当を持ってくるだけで簡単にピクニックができますからね!
でだ!
【 アメリカザリガニ 】
頭の固い連中には厄介な存在らしいですが、ここに来れば【ザリガニ釣り】が簡単に楽しめ、子供から大人まで夢中になれたと思います。
近くの保育園や幼稚園からも遠足で来ることが多く、週末や夏季においては非常に賑わい活気がありましたよね。それも今は昔…この場所に生息するアメリカザリガニはたぶん絶滅しました。
結局ねこの「人工物」の話に戻るわけですが、今から30年以上前に造られた際には生き物は1匹もいなかったわけです。人工物だからね。
アメリカザリガニ以外にもドジョウやエビ等の在来種(※国内外来種)を含めいろいろな水生生物を確認してきましたが、とりあえずアメリカザリガニについては「外来生物」なので日本の自然下に生息する生き物ではありません。つまり誰かが意図的に放流し繁殖した結果が今なんですね。
そして絶滅した…。
この約3ヵ月ほどで「人工の小川」について15本の記事を書きましたが、実は配水開始の時期については一切触れませんでした。要は「放流個体」が少し気になったから書かなかったんですけどね。
当初の計画では夏休みが終わった辺りの今秋を予定していましたが、7月ぐらいからのCOVID-19の感染拡大に伴い来年以降に変更となりました。それ以外の理由もあるんだけど割愛。
撮影の絡みもあり配水開始が決定されれば事前に連絡を貰う予定になっていますが、とりあえず「今年」が無くなったので現時点でまだアメリカザリガニが少々残っていたとしても100%絶滅します。もう間違いありません。
だから絶滅した…。
【新世紀ザリンゲリオン】
ふざけてように見えるかもしれませんが…えぇ間違いなくふざけてますねw。要はエヴァの「セカンドインパクト」ですよね。現状は!
しかし…地割れ具合といい雰囲気がある1枚だな。そう思うよね?ちなみに、僕は「破」が好きなんです。聞いてないって?
まぁ…その…この場所で【ザリガニ釣り】を楽しんでこられた方々の中には現状について憤りを感じる人もおられると思いますが、実はこの「かいぼり」によって解決した問題もあります。
【 カ ダ ヤ シ 】
生き物に詳しくない人から見れば「メダカ」と間違えやすい…大きさや色味がほぼ同じなので高確率で間違えるであろう【特定外来生物】です。
要は環境省によって指定された小魚ですが、生きたままの移動や販売・飼育、野外へ放流等については外来生物法によって制限されており、違反者には3年以下の懲役または300万円以下の罰金が科されます。
なかなかピントが合わずよく逃げるので撮影はしていませんでしたが、この小川にはかなりの数が生息しており今回の「かいぼり」によって完全駆逐に成功しました。
残すは現状回復か…
どのみち配水開始が来年に順延となったのでまだ先の話になりますが、【原状回復】について…どうなるだろう?
コレについてもとある機関に電話を入れましたが、非常に難しいのが「どの時代を基準とするのか?」であって、緊急事態宣言の発令前にするとアメリカザリガニの「いる世界」であって、建設当時にすれば「いない世界」になります。
ですよねー(笑)
何と言うのか特に結論を出す話ではないし原則的に生き物の放流が「悪」とされる社会情勢下においては何もできないというか、見届けるというか、放置というか、知らねというかetc…w
だから、僕もただの一大阪市民であって別に何かしらの権限があるわけでもないし、意見をする立場でない事も重々承知していたので「静観」のスタイルにした経緯があります。
だからここで【前編-外来種問題】を書いた意味が出てきますが、本来であればアメリカザリガニを再放流し“元”に戻す行為は現在の論調からして倫理的な問題が発生します。
ただね、監視員を立たせて24時間体制で見張るわけにもいかず、最終的には誰かが「再放流」し数年をかけ元の状態に戻るのではないかと思っています。
先に僕の個人的な意見を書いておきますが「全然あり」になります。結局ね、大阪市内でまともにザリガニ釣りができる場所がここしかないし、オマケに人工物で管理しやすくアメリカザリガニをこの場所に集約させることで結果として残された大阪市内の自然を守ることに繋がる可能性を捨てきれません。
昨年書こうと思ってお蔵入りした【放流容認】の内容は実はコレのことであって、環境省のスローガンでは「放流」どころか外来生物による自然破壊を止められないんですよ。
今までの取り組みで結果が出ないのであれば考え方いわばプロセスが間違っていた訳ですが、環境省いわば役人は絶対に間違えを認めません。そういうものです。
物事を進める上でプロセスも大事ですが、最終的には「結果」が重要であって政治家であれば「責任」になるんですよ。外来種問題に落とし込むとプロセス(放流禁止)も大事ですが、いかに結果(環境保全)を出すのか?
そうは言っても?
「放流」する奴が圧倒的に悪く迷惑極まりないし、SNS上でイチビリたいだけで何も調べずスタートするバカヤローがあまりにも多いので、過去にも書いてますが「外来生物」の飼育なんて本来は「所得制限+課税対象」にするべきなんだよね。だから年収800万円以上でアリゲーターガーの飼育をOKにすればいいんだよ。(※1匹12,900円/年)
別に冗談で書いてる訳ではなくて、お金を持ってる人は最後はお金で解決できるから「放流」なんてしないわ。それに生き物を使ったマウント合戦に「年収」という項目を追加するだけで大半が大人しくなるし、身の丈に合った生き物の飼育に納まるでしょ。
これ以上「バカヤロー」を排出しない為にも生き物の個人売買(無償含)を全面禁止にすれば「外来種問題」はもっと減ると思うけどね?それでも生き物を現金化したいなら税務署に開業届出を提出してしっかり所得税を納めればいいんだよ。
そもそも「生き物の飼育」なんて投資と同じく余剰資金内で完結するべきものであって、繁殖させた生体を現金化しないと維持できないのであれば単純に分不相応だし納税意識の低い個人が滅茶苦茶なことをするからカオスになるんだよ。
昨今は簡単に色取り取りの外来生物が安価で購入でき、“仲間”を増やす目的なのかは知りませんが、相手のキャパを理解しないうちに無責任に『簡単だよー』と広める始末。乗っかかる方もアホだけどね。
水生生物を飼育するには設備を揃えるだけの資金が必要となり、維持するためにはそれなりの時間や労力も必要とします。非常に「向き不向き」が分かれる分野なので本来であればまず自然下で生き物を採集し自分が向いてるのか試すべきなんです。
仮に「向いてない」と判明しても自然下で採集した生き物であれば同じ場所に返す(戻す)ことが可能ですが、これが購入した外来生物であれば返す場所なんて無いんですよ。つまり無責任に外来生物を広めてる連中は「放流予備軍」を作り出している事に気付いてないし、仮に問題が起きても「自己責任」の一言で責任転嫁でき坊主丸儲け。
とまぁ
【 新世界の創造⁉ 】
仮にアメリカザリガニが消えた後の世界観を思い描くと間違いなく「ヤゴ」が増えるでしょうね。現在でも大阪城のお堀では繁殖していますがもっと身近な生き物になると思います。
「クロベンケイガニ」は汽水種だし陸生なのでかなり微妙ですが、この小川のスペックであれば上流域に「サワガニ」が定着できるんですよね。
たぶん「ハイイロゲンゴロウ」だと思われますが、アメリカザリガニが消えたことでこのような水生昆虫が確認できるようになったことは紛れもない事実です。
我が家の周りではまず見かけませんが「アブラゼミ」もたくさんいます。暑苦しくて鬱陶しい「クマゼミ」も多いですけど(笑)
大阪市内の都市公園ではあまり見かけない昆虫や虫もそれなりにいてるし、最近は知りませんが猛禽類の「オオタカ」が飛来するようになったりバードウォッチングも盛んなので実は自然が豊かなんですね。
アメリカザリガニのいない新しい“世界”を観てみたいと思う反面、この場所でしかまともに【ザリガニ釣り】ができないという現実…。
この記事を書くにあたり大阪府と大阪市それぞれの教育委員会にもお話を伺いました。大して重要でもないので詳細は割愛しますが、現在大阪市内には288校の小学校がありほぼ全てで【アメリカザリガニ】が教材として導入されています。
大阪市内にはザックリ11.5万人弱の児童がいるわけで中にはというかそれなりに【ザリガニ釣り】をしたい児童もでてくるでしょうね。我が家の息子は保育園時代からこの場所に通い思う存分ザリガニ釣りを楽しみ、すでにザリガニどころか生き物にも興味を示さなくなったので、あくまでも僕の立場としてはアメリカザリガニが絶滅しようがもう関係ないんですよね。
だ が し か し !
親というか保護者というか大人の意見として言わして貰うと、これからの子供たちにも【ザリガニ釣り】を残してあげたい気持ちが当然あります。だからゴチャゴチャ抜かしてる田舎者に無性に腹が立つんだよね。(真顔)
どのみちこの場所についてはどうすることもできないし【静観】のスタイルを突き通すことになると思いますが、もうしばらくは経過観察を続ける予定です。っていつまでだろうw
っていうか!
大阪市がもう1つ同じ物を横に造ったら話が早いし問題が解決するしもっと楽しめることができるのか!そうかそうかw。
おわり。