インターネット上では「外来生物」について賛否を含めいろいろな意見があり、その中には希望論も多く含まれ真偽がわかりにくいですよね!
実際にどうなのか?
「外来生物」を取り締まる元締めは環境省なので聞けば教えてくれますね!
直接電話で確認しました。
メール形式での回答画像をそのまま載せた方が間違いないのですが、項目が多岐にわたるので「一問一答形式」をとり、2018年5月現在の最新の対応について伺っています。
そう、最新の情報です!
例えば
【ミシシッピアカミミガメ】(ミドリガメ)
インターネット上では2020年ごろを目途に「特定外来生物」に指定されるという記述ばかりですが、これは古い情報であり現時点では「見送り」となったので今後もペットとして飼育する事が可能となりました。
一言で「外来生物」と言っても数が多すぎるので今回は「アメリカザリガニ」に的を絞りつつその他の気になる事も少し確認していますが、専門用語を並べると理解しにくい所が出てくるので若干嚙み砕いた表記にし、歪曲せずバイアスを掛けず回答をそのまま載せています!
では、スタート! ↓
・外来生物(外来種)とは?
もともとは日本にいない動植物のこと。
・現在どのくらいの数がいるのか?
多すぎるから勝手に調べろ。
・「特定」外来生物とは?
外国起源の生き物であって、日本の生態系や農林水産業へ被害をおよぼすもの。現在は哺乳類から植物まで148種類を指定。
「特定」に指定されると許可を得たものを除き、輸入、販売、飼養等(飼育・栽培・保管・運搬)が禁止される。
・「特定」外来生物に指定される基準は?
外来生物法の通り。
明治元年以前に日本に入った生き物は除外。
専門者会議を開きパブリックコメント制度も導入している。
・飼育中の生体が「特定」に指定された場合は?
改正法の施行から半年以内に最寄りの環境省の地方環境事務所に届け出ることにより1代限りの条件付きで飼育のみを許可する。
・仮に産卵した場合は?
飼育者によって全て殺処分する。
・外来生物による環境(自然)破壊をどの程度把握しているか?
個別事案の詳細については把握していない。
・外来生物による経済損失額は?
「アライグマの農作物への被害」等、実害が出たものは把握しているが個別事案の全てを把握しているわけもなく、また算出する事も難しい。
・外来生物の駆除方法は?
防除マニュアルを配布している。
・駆除費用の負担は?
私有地は個人。二級河川や池は地方自治体。一級河川については国土交通省となる。
・同じ外来生物でも、なぜ一律対応ではないのか?
人材と予算によるもので優先順位の高いものから取り組んでおり、どちらも無制限という条件であれば「特定外来生物」へ順次切り替え指定していく事が可能。
・アメリカザリガニについて
生態系被害防止外来種リストの「緊急対策外来種」に指定している。
・小学校の教材として導入されているが?
管轄は文部科学省及び各教育委員会になり、それぞれの判断によるもので環境省は口出しできない。
「外来生物を知るための学習」という側面もあるが、望ましい形とは言えない。
・本来は駆除するべきなのか?
外来生物とは言え生き物なので見つけ次第殺処分するかは個人の判断に委ねる。
・すでに市民権を得たとも考えられるが?
「ザリガニ=赤い=アメリカザリガニ」という認識が広まっている事は確かだが環境省としては認めない。
※大阪城公園のザリガニについて
原則的に屋外に生息している事は認めれないが首長及び自治体の判断(条例)に委ねる。
・アメリカザリガニの派生種について
アメリカザリガニを起源とし派生したと考えられる種(学名なし)はアメリカザリガニに準ずる。
・ミステリークレイフィッシュについて
環境省の慣例でもあり「未判定外来生物」に指定された以上は近い将来「特定外来生物」に指定される流れ。(※時期は未定)
・最新の研究結果により「鯉」が外来生物と判明したが?
環境省としては情報を確認したが「鯉」は明治元年以前に日本に持ち込まれた生き物の為、外来生物法の規制対象外となる。
また、すでに生産物流消費と市場が確立されているので環境省として何かアクションを起こすという事はない。
・金魚もルーツを辿れば外来生物になるが?
「鯉」と同じ見解である。
・ミシシッピアカミミガメについて
生態系被害防止外来種リストの「緊急対策外来種」に指定している。
・アカミミガメ対策推進プロジェクトとは?
アカミミガメによる生態系等への悪影響のない(小さい)社会を実現するためのプロジェクト。
・プロジェクトは進行しているのか?
環境省の調査ではH25年度の時点で約110万世帯180万匹の飼育を確認しており、規模の大きさから緊急の対策が必要と考えていたが社会的混乱を招く恐れがあると判断した。
・「特定」外来生物に指定されないのか?
現状を考えると「見送り」となる。
・今まで通りということか?
今後もアカミミガメ対策に向けた取組を強化していく。
ざっとこんな感じでした。
時間にして50分程。
今回は僕が個人的に聞きたかった質問をぶつけ、せっかくなので記事にしましたが聞けばしっかり答えてくれます!
外来生物を取り締まる元締めとして「環境省」と書きましたが、業務内容は環境アセスメントから始まり排ガス・排水規制に震災復興、CO2対策等々多岐にわたります。
『お前らプロやろ?』って思われる人もいると思いますが、全ての分野にそこまで深い知識があるとは言えません。
その為に「パブリックコメント制度」を導入しているので、意見や陳情も可能となります。
環境省自然環境局野生生物課
ミステリークレイフィッシュはメス単独で子孫を残せるので危険視されていますが、根強いファンも多く陳情が多ければ「特定外来生物」の指定を回避できるかも???
僕は今の所飼う予定がないので…(他人事…)
終わり。