【第3回 多頭飼育論】内で軽く触れた内容の「・脱皮中の危険性」をメインに「・弱肉強食?自然淘汰?」「・共食い」も併せ、この3つについて掘り下げて考えていきたいと思います。
ザリガニという生き物は脱皮をする事で体が大きくなり、生まれてからの1年間で7~10回(※およそ)も脱皮をします。
以前に脱皮の瞬間を撮影したので、そもそも脱皮を知らない人はまずは見てね!
本当は「この前」があり、ザリガニが『今だ!』と思った瞬間にコロンと横に倒れ脱ぎ脱ぎタイムが始まります。
これは少し大きな生体(セミアダルト)になりますが、脱皮に要する平均的な時間は2~3分になります。
脱皮直後のザリガニは甲羅がフニャフニャなので、手で持つことはおろか網で掬うことも本来は望ましくはありません。
それでは「多頭飼育」における脱皮中の危険性を考えていきます。
・脱皮中は動けないのか?
脱皮中は動くことができないので外敵や天敵が近寄ってきても逃げる事ができません。また、甲羅が非常に柔らかいので簡単に捕食されます。
・脱皮後はすぐに動けるのか?
脱皮殻さえ脱ぎ捨てていれば基本的に動くこと(※1)が可能ですが、脱皮には相当の体力が必要になり疲れ切ってるので、できればそのままの体勢をしばらく(※2)維持させることが理想と言えます。
(※1) ジャンプのみでたぶん歩けない。
(※2) 最低でも数時間~1日。
・多頭飼育中は危険なのか?
正しい飼育環境であれば基本的に襲われません。(※後述)
心配であれば「脱皮の兆候」がみられたら隔離しましょう!
う~ん…これを見る限り…
冷静に…考えると…
やっぱり問題無いね!
それでは掘り下げていきましょう!
・脱皮しやすい時間帯はあるのか?
あります。
特に朝方~午前中。明るい日中に脱皮する事が多いです。
・なぜ明るい日中が多いのか?
他のザリガニや天敵も安全な場所に身を潜め休む時間帯なので、この時間帯に脱皮をすると安全であることを本能的に知っているのでしょう。
・夜間は脱皮をしないのか?
ザリガニは比較的夜行性なので、薄暗い夜間に脱皮をすると天敵を含め襲われるリスクが格段に上がり命取りになります。
たまに夜間に脱皮をするマヌケ(※主に若い個体)もいますが、水槽飼育下であっても基本的に襲われることが多いので捕食(共食い)される事があります。
・その場合は?
特に助ける必要は無いので運命に任せて見守りましょう!
・残酷ではないのか?
残酷ではありません。
自然の摂理に従い状況判断を誤ったマヌケから途中退場する事は自然界のルールであり、水槽飼育下においても例外なく採用することで強い個体が必然的に残るので望ましい形と言えます。
いわゆる「自然淘汰」です。
・でも人工的な飼育だよね?
逃げやすい環境をしっかり提供する必要がありますが、ザリガニ1匹あたりに必要な有効面積(容積)を確保していれば特に問題ありません。
・逃げやすい環境とは?
脱皮完了後から5分もすれば尻尾で跳ねて後方へビュンと逃げる事ができます。(※クー・ド・バースト)
ザリガニはそれぞれの個体を識別しているのか怪しいですが、特定の個体を必要以上に追い回しトドメを刺す行動はとりません。(※1)
水槽内を複雑にするか逃げる際にしっかり距離を稼げる構造にしておけばクリアします。
(※1) いわゆる「イジメ」の事で、色々な大きさを一緒に飼育しても特にパワーバランスが崩れる事はありません。
・でもやっぱり心配…
ザリガニもバカではありません。
近くに敵がいそうであれば一番安全と感じた場所で脱皮をします。
こんな感じですね!
ざーっと書いてきましたが、ここから噛み砕いて説明しますね!
・共食いについて
ザリガニを「多頭飼育」する上で【共食い / ともぐい】を危険視する飼育者が多いと思います。
要はザリガニがザリガニを食べてしまう現象を指しますが、健康で元気な生体同士の組み合わせでは喧嘩こそ起きてもいきなり食べられるようなことは絶対に起こりません。
ザリガニにとってザリガニは「至高のエサ」なので落ちていれば当然食べます。金魚やメダカも例外ではありませんね!
・落ちているとは?
主に死んだものや脱皮中の身動きがとれない生体を指します。その他に各当するケースもあると思いますが、無抵抗状態であれば「落ちている」に含めます。
・そんなシーンを見たくない?
何故アメリカザリガニは一度の産卵で200~500個もの卵を産むのか?
これは自然界での序列が低く多くの生体がしっかり成長する前に途中でどんどん脱落をしていくからです。そして、勝ち残った強い個体の糧になります。
ザリガニがザリガニを食べること自体は「種の保存」に則った行動なので人間には止める術がありません。
・でも…やっぱり嫌だ!
では「正しい飼育」をしましょう!
それでほぼ回避できます。
・正しい飼育とは?
ザリガニにしっかり「1日」を感じさせることです。
どうですか?
なんとなく理解できましたか?
では、いつものペースで書いていきますね!
今回の内容の「正しい飼育」とは、今まで書いてきた「多頭飼育における水槽内の構成」ではなく…
日照時間の話になります。
四季がある日本ではどんな生き物でも屋内飼育が多数を占めると思いますが、ザリガニは「屋外飼育」を推奨します。
理由は簡単です!
当然のごとく日の出とともに明るくなり、日の入りとともに暗くなります。ザリガニを飼育する上ではこれが非常に重要になります。
もうわかったと思いますが…
つまり…
「なんちゃって多頭飼育」で共食いが起きる環境って…(*´艸`*)モゴモゴ
そうは言っても、日本における第3次産業の就業者数は全体のおよそ7割。おまけに生活の多様化も進んでいますね!
ザリガニに合わせた生活って厳しいんじゃないかな?
ちなみに!
我が家の屋外水槽はこんな感じね!
今は全然違うけどね(笑)
僕はザリガニの飼育は割と『面倒くさい!』と思ってるし、絶対にザリガニファーストの生活にしたくなから当然の屋外設置です。
やっぱり遊びに出かけたいし、旅行にも行きたいもんね!
だからね
先日稚ザリが生まれましたが、これらも屋外環境の正しいリズムで飼育をしています。
明るい昼間は全く上がってきませんね!
ママザリも当然上がってきませんが
暗くなりだすと一斉に動き出しますね!
これが本来の「行動パターン」になります。
ちなみに!
すでに耐久試験が終わったので、水量を増やしエアレだけしてますが…
雑いわwwwww
固定用のテープが剥がれてるもんね(笑)。まぁいいんじゃい?これでも。
そうそう!
この水槽を良く見て貰うとわかりますが、上蓋や網をしてませんね!おまけにエアーチューブを淵に掛けていますよね!
何の変哲もない至って普通のどこにでもあるような環境ですよね?
でも絶対に脱走しません!
僕が脱走の記事を書くまでに考えといて下さいね。
話を戻し…
ザリガニの目はこうなっています。
ちょっとアップ。
全方位とはいかなくても複眼なので視野が広くもちろん光を感じます。
室内でザリガニ飼育をする人で、わざわざザリガニごときに専用の照明設備を用意する人なんて少ないと思います。
水槽内部の明るさは部屋の照明に依存することが多いと思いますが、照明の付けたり消したりを1日に何度も繰り返し規則性が全く無ければザリガニだって朝晩の感覚が無くなり体調が崩れてもおかしくありません。
人間でも自律神経が狂うよね?
要は、そんな環境で最高のパフォーマンスを引き出すことができるのかな?
シュリンプ業界からも多くの人がザリガニ飼育に参入してきたと思いますが、同じ甲殻類で同じような形なので飼育環境をそのまま流用されている人が多いと思います。
まぁそんなところかなぁ…?
そうそう!
脱皮のように無防備状態になる行動があと2つありましたよね!
・産卵中の危険性は?
自然環境下での産卵なんてまずお目にかかれないと思います。
我が家では今秋4匹が「多頭飼育水槽」で自然交尾から産卵をしましたが、特に問題も無く無事に抱卵しました。
4/4で全ての個体が日中に産卵をしています。
どれぐらい時間がかかったのかは不明。チラっとしか見てないからね!
・交尾中の危険性は?
これも明るい日中に済ませることが多いですが、自然交尾については「お年頃」になったオスとメスがどのタイミングで出会えるか?が重要になってくるので夜間でもする時はします。
ちなみに
自然環境下での夜間の交尾をまだ一度も現認できていません。
やっぱりね!
本来の自然界にはアメリカザリガニにとっての天敵がいます。
全ての行動に「どの時間帯が安全なのか?」が遺伝子に組み込まれているんでしょうね!
つまり?
1日を感じさせる事がとても大事。
ついでに季節もね。
おしまい。