それでは!
ザリガニは水生生物なので長期飼育をするにあたりそれなりに「飼育水」を用意し維持する必要があります。
そもそもね!
世間一般的には「汚い」「臭い」のイメージが付いて回る生き物ですが、この間違ったイメージの原因は明白であり
小学校におけるこの“飼い方”で間違いありません。まぁ教育現場であればコレでも特に問題がありませんが、小学生時代の教材ザリガニの飼い方を忘れた保護者も授業参観等を通し半ば強制的に視界に入り思い出すことになるでしょう。
そう…汚い…臭い…
現在の日本国内における大半の「ザリガニ飼育」と言えばコレに水を足しただけ。8歳児の小学2年生でも砂利を使っているのに、中には砂利なしの「ベアタンク」や更に小さい「タッパー」等の使用であったりもう斜め上どころではないよね。
何が凄いってこのような水生生物の長期飼育ができない環境であろうが高額な生体であっても特にお構いなしでぶち込んでいくスタイルw
「海水種」や「水草育成」系では割とガチ勢が多いというかマンマの「道楽」をよく目にしますが、特にザリガニはその気配が無いし勝手にモンキーターンをやってるもんね。で、死んだら死んだらで『悲しいです…』でしょ。まぁあと30年経っても同じことをやってるんだろうなぁ…と。
そういうわけで!
以前に【アメザリの呪い】とも書きましたが、このイメージを払拭することはもはや不可能であり…というか、あえて払拭する必要も無いというか…、アメリカザリガニと言えば「色遊び」ができる生き物ですが、正しい環境で飼育すると【寿命5年】が一つの目安になります。
1回の産卵で200~400個も言われていますが、さっさと死んで貰わないと逆説的には色で“遊べない”し、大して生き物が好きでもない現金化大好きは儲からないんですよね。
当ブログは「飼育の楽しさ」もとい「生き物を大切に飼育する」をモットーにしており「色遊び」は特に記載していません。そんな上澄みに興味が無いし覚えた所で無駄スキルだから。
では【本題】です!
特に【アメリカザリガニ】はザリガニ種の中でも最強の「環境適応能力」を備えており日本国内以外でも世界中で生息域を拡大した歴史的事実がありますね!故に汚い場所で見かけたり。
日本国内で言えば「用水路」とかになりますが、SNS等でも『めっちゃおるんやが…』このような投稿を1度くらい見かけたことがあると思います。
で だ !
いきなり脱線しますが、「用水路にウジャウジャ」は日本国内で実際に起こっている現象として認知されていますが、コレとは別に「ザリガニは共食いをする生き物」も認知されていると思います。
は て ? ? ?
この2つの事象はダブルスタンダードまでは言わなくても「水と油」に近いと言えますがなぜか成立してるんですよね。
不思議だよね?
「用水路にウジャウジャ」については割と秋口に見つけやすいと思いますが、別にこの場所で生まれ育ったわけではなく止水等の理由で単純に住処を奪われ移動し集まっただけ。多くの場合がコレに当てはまると思います。
もう一方の「共食いをする」について、正確には「捕食行動」になりますがソレは置いといて
【 用水路ザリガニ 】
要はコレのことだね。
ザリガニという生き物は狭い場所で「密」にすると「今は戦う時ではない」みたいな命令が脳から出るんでしょうね。流石にこの状態で何日も放っておけば脱皮中に襲われるだろうし、本当の「共食い」が起きます。
実はこの【習性】を逆手に取った飼育方法がありますが、いわゆる「アホみたいに詰め込め多頭飼育」であり簡単に言えば出荷前の養殖ザリガニの生け簀状態ですね。
だからね、ザリガニ釣りに行ってバケツにザリガニをいっぱい入れても暫くは大丈夫だよね?同じ理屈になりますが詳しくは専門家に聞いてください。
つ ま り ?
この【用水路ザリガニ】ではザリガニにストレスを与えて本来の状態ではないので「飼育」とは到底呼べるものではありません。
僕が考える【多頭飼育論】とはガッチガチに理論詰めで構築しており【川ザリガニ】の行動パターンを全ての基準にしています。故に生体にストレスを極力与えにくい構造とも言えますね。
別に大した話ではありませんが、ちょっと思い出したので追記してみました。
では【本題】×2です!
【2020年3月下旬 撮影】
すでに「COVID-19」がじわじわと感染拡大…まだ上水が止められておらずいつもの大阪城公園でした。
奥に見えるピンクの花は名前を忘れた桜です。子供たちの服装しかり季節感がある1枚ですが、この頃はまだ平和であってこの場所のアメリカザリガニも平年通りの数だったと思います。
【2020年5月21日 撮影】
コレは緊急事態宣言が解除された当日になりますが、4月7日から5月21日までの間はもちろんこの場所に来ておらず初めて現状を知ることになりました。
これは真っ二つになっており位置も逆になっているのでカラスかサギに狙われた後になります。この1枚の注目ポイントは「まだ水が残っている」と「水が無色透明」の2点になります。
コレがよく分かりませんが、既に死んでいるものの打ち上っています。腹部の色味からしてその場所で死んで水位が下がっただけとも考えられそうですが。
つ ま り ?
少なくなったとは言えまだ水が残っているし、まして無色透明でパッと見は非常に綺麗とも言えます。
でも死んでいます。
「ザリガニ飼育」とは本来難しいものであって、これらの画像を見ても想像飼育組はチンプンカンプンだと思います。てかね、家庭における通常飼育でも割とコレに近い“殺し方”が多いんじゃないかな?それも無自覚の。
だってさぁ、本来は“汚い”環境でもアメリカザリガニは生きていけるのに、パッと見ではこんな“綺麗な”環境なのにバッタバタとアメザリが死んでいく…。いわゆる『落ちた…』や『☆になった…』の状況であってちょっと意味が分からないんじゃないかな?
まだ上水が止められていない3月下旬頃と何がどう変わったのか?本当はここで水質を調査しておけばよかったんだけど、あいにく持ち合わせが…っていうか、水質関連っていろいろ揃えたらけっこうお金がかかるんだよね。本来は不要だし。
コレが特徴的かな?
体はしっかり水に浸かっており無色透明。なぜこの状態で死んでいるのか掴みにくいと思います。
これが家庭における飼育下であれば『ここまで大きく育ったし寿命だったのかな…?』になるのかもしれませんね。
【 外骨格の浮き 】
これが決定的ですが、本来であれば脱皮前によく見られる変化です。
脱皮前…ねぇwww
『脱皮不全です(ドヤッ)』
『理由はわかりません(ドヤッ)』
『悲しいです(ドヤッ)』
うん、まぁ頑張ってね。
本来はもう頑張らずに向いてないからそのまま辞めた方が苦悩から解放されるわけで得策とも言えますが、この“殺し方”を2~3度やっているのであれば考え方や付き合い方を改めた方が良いでしょうね。アメザリは外来生物だけど立派な命ある生き物だからね?
・では、なぜ死んだのか?
順に説明をしますが大阪城公園のケースで考えれば一番最初の原因は「水温の上昇」になります。
撮影時期は5月下旬であり夏本番の7月8月ではないのに『理由は水温の上昇?』と疑問を覚える方も出てくると思いますが、まずは「水温の上昇」がトリガーとなりアメリカザリガニの生存を可能とする条件を満たさなくなった。ということです。
1匹2匹が死んでいる程度であれば「個体差」とも考えられますが、すでに100匹以上の亡骸を確認しておりほぼ間違いないであろうと。
・生存を可能とする上限水温はいかほど?
コレが難しい…。
生れた場所、育った場所、その過程のモロモロを考える必要があるし、生き物なので一概に『何度以上は…何度以下は…』は言いにくい側面があります。
参考程度になりますが、大阪市内の我が家のベランダに設置してる水槽では猛暑日で最高水温が35度に達しますがもちろん直射日光は避けています。
これまた参考程度になりますが、「Procambarus属」のアメザリとウォチタはこの水温で1匹も死んでいません。流石にちょっとグッタリしていますが、できれば32度ぐらいまでに抑えた方が良いに決まっています。
【 ちょっと実験 】
小さな容器に6㎝程の水深で落ち葉を入れています。容器の下がコンクリートで日中はモロに直射日光が当たります。
ダイソー製の水温計になりますが、きっちり40度を指しt…ここまでしか上がらずに実は振り切ってるかもね?
影の伸び方でおよその時間がわかったアナタはセンスが良いですよ?って南がどの方向か書いてないな(笑)
【 6月4日 13:01 】
もう1ヵ月前の撮影ですが、このような環境で直射日光が当たると外気温以上の水温になります。知ってるよね?
本来水温は気温の後追いで上昇と下降をしますが、我が家のベランダに設置してる水槽で4~5時間遅れ。地球上で最大の“箱”である「太平洋」が1ヵ月~2ヵ月遅れで9月~10月に超大型の台風が襲来するのはこの為。
一方のこのような直射日光が当たり水深が少ない環境であれば水温は気温とリアルタイムで変動し気温を超えていく事も多く大阪城公園が正に“この状態”と言えます。
ちょっと水が残っている場所を探しました。下にザリガニの亡骸も確認できますが、この場所が泥の堆積が比較的多く日陰になりやすい場所でした。つまり良い場所。
枝をぶっ挿す。
人工の小川は人工物だからこの下はコンクリートです。
枝をぶち抜く。
木の枝を使ったのはこの為でしたが、色味が変わった所まで入っているので…
10㎝ですね!
砂地エリアなんてそもそも水が溜まってないし場所によっては泥すらなく、最大でもこの程度となります。
その水たまりの水温もお察しというか、アメリカザリガニが生存できない水温になっています。それに加え直射日光によって水分がどんどん気化し岩の下に隠れている生体たちもサウナ状態。
この生体については「水温上昇→急激な水質変化(悪化)」によって死んでいます。
どのような「物質」によってどの程度「水質」が変わったのか?コレについては調べていない…というよりも水が残っている場所によって川底を構成する素材(物質)の総量が異なるので一概には言えません。
・つまり…総括!
ザックリ言うと人間“目線”と生き物“目線”は異なるわけで、人間“目線”の「汚い」と生き物“目線”の「汚い」も異なります。
自然下の一見すると汚く見える環境であってもソコには命を繋ぐ“何か”つまりバランスが保たれているわけです。大阪城公園については上水が止められたことによってその“バランス”が崩れバッタバタとアメリカザリガニが死んでいったわけですね!
何だかんだ言って「自然下」を調べないとわからないことが出てくるし、というかその自然下に「ザリガニ飼育」に必要なほとんどの「答え」が落ちてるんだけどね?
どうだろうなぁ
コレについては「洞察力」というかその人の「センス」というか…ザリガニ種を考える上では単純に社会経験…「引き出しの多さ」が物を言うだろうね。つまり生け簀の飼育歴なんて大して役に立たないし、わからない人は何年やろうがわからない…w
だから「ザリガニ飼育」は難しいとあれほど…
以上。