今回は【第1回 多頭飼育論】内で軽く触れた
・あまり動かない生き物?
について再考します。
現在ザリガニを飼育されている人は
・じっとした生き物
このような認識を持っている人が多く、これに基づいた飼育環境になっている事が多いと思います。
実際は…
ザリガニという生き物はかなりアクティブで常に徘徊します。
自然環境下において「自由に動けるフィールドがある」という前提で言えば基本的に「縄張りは無い」と考えられます。
と言うのも
エサを探すにしろ交尾相手を見つけるにしろ自ら動かないことには始まりません!
ザリガニはデトリタス食性(※大阪城公園編)で「栄養の摂取」という意味合いでは大半がこのような植物性になり、自然環境下において少ない場所では探し回るし、多い場所では居心地が良いので長期間滞在します。習性としてはイナゴに近いかもね!?
つまり?
ザリガニは「蟻地獄」ではなく「ハンター」なので、そもそも縄張りを持つ必要性がそこまでありません。(※隠れ家を考える上でも重要)
・縄張り意識を再考
【縄張り】…理屈としては「テリトリー」も同じになるのかな?【縄張り】を形成する身近な生き物は「カラス」や「野良猫」ですよね!
要は自分の住処(拠点)から一定のエリアを占有するための行動になりますが、この理屈からすればザリガニに【縄張り】は絶対に無いと言えるし、仮に「ある」とすれば大きなザリガニ1匹あたりに規格60㎝水槽がまるまる【縄張り】になる可能性が出てきます。
そうです!
ザリガニは少なくと金魚やメダカに比べ賢い生き物で、それなりに空間認識能力を持ち合わせています。(※脱走を考える上でも重要)
脱走の理由というか、原因というか、対策というかの関連記事を書くのがまだ先になりそうなので先に「答え」を書いておきますが、水槽内の居心地が悪いと脱走します! 以上。
本題に戻り
小さな水槽でザリガニを「多頭飼育」するとザリガニたちが安全と感じる場所の取り合い行動をとるので【縄張り意識】のように見える場合がありますが、これは「隠れ家の質を上げる」ことでほぼ回避できます。
結局ね
小さな水槽ではできる事が限定的だから理屈ではなくて、毎日水槽内のザリガニの「動き」をしっかり確認して箱の大きさや入れる数、水槽内の構成等も「ザリガニの成長に合わせて」定期的に変更していく事が望ましいと言えます。
本当はここで終わる予定でした…
現在「多頭飼育」をされている人が少なからずおられると思います。それなりの環境にしているにも関わらず『コイツ…いつも同じ場所にいるなぁ…』と感じたことが無いですかね?
僕はあるんですよ!
けっこう不思議だったんですよね…
自由に動けるフィールドは用意した…
何故同じ場所に戻って来るのか…
ひょっとして…
「餌が落ちてくる場所を覚えてる説」
この可能性があるのではないかと?
今回ね
2匹に対して隠れ家を20か所設けてみたんですよ!もちろん気の向くままに移動するのは移動するんだけど、やっぱり同じ場所に戻って来ることが多いんですよね!
ザリガニにエサを与える場合は食べやすいように頭の上らへんにピンポイントで落としますよね?わざわざ離れた場所に落とすようないけずなんて意図がない限りしませんよね?
これは抱卵個体
後から残ったエサを回収しやすいように水槽内の構成の一番上に置いたものです。
これは以前記事にした「無ろ過無エアレ無水流」環境のメスね!
見ての通りエサを食べてる画像になりますが、この場所でエサを食べるようになってから定期的に上がってきてこの場所で待ってるようになりました。
これも抱卵個体
隠れ家が20か所の環境です。
やっぱり戻ってくる…
毎度ここでエサを与えています。
これも抱卵個体
同隠れ家20か所環境ですが、明らかにエサが落ちてくるのを待っています。
極めつけは…
コレですね!
これは一番最初の「無ろ過無エアレ無水流」と同じ構成内容で、それよりも少し広く「有ろ過有エアレ有水流」環境になります。
これも残ったエサの回収がしやすいように一番上にエサを置くようにしてました。
実際はもっと薄暗いですが、あまりにも見にくいから加工して少し明るくしています。
これねぇ、良い構え方ですよ!
エサが落ちてくるのをじっと待っています!
ちなみに!
これではわからないけど抱卵個体です。
抱卵個体も条件を満たせばしっかりエサを食べる傾向が見られますが、両ハサミを振り上げる「エサくれ」のポーズは流石にしないと思います。むしろ、したらちょっとヤバいかもしれません。
環境違いであっても抱卵個体が4/4で同じ行動をしたので来年にでももう少し調べたいと思います。
とにかく!
ザリガニって割と賢いからナメてたら見透かされるかもね!?
おしまい。