先日我が家では繁殖が難しい(※都市伝説)とされる未判定外来生物のプロカンなんちゃらウォチタが産卵したくさんハッチアウトしたわけですが、現状は2次選別も終盤にさしかかり…『うわっ…もったいな…』という声が聞こえてきそうなぐらい数を減らしました。(※たぶん70匹ぐらい?)
今回は強い種親を確保する理由でかなり“過酷”な環境を用意した訳ですが、アメリカザリガニと比較すると思いの外「数が減った」というのが本音ですね!
今回は少し前の「1次選別」の話であり、昨秋のアメザリ5/5と今春のアメザリ1/1、ウォチタ1/1の計7/7の「ザリガニの抱卵」に纏わることを少しだけ。
端的に結論を書くと『同じ結果になったか…』コレですね!
・そもそも?
なぜ「Procambarus系ザリガニ」は一部の種を除き一度の産卵数が多いのか?
これは簡単な話で、自然界での序列が低いため数を生まないと「種の存続」が成立しない為です。
つまり過酷な自然下においてはしっかり成長できる生体数が少なく、残った個体は基本的に全てがタフで強いと言えると思います。
一度の産卵数が多いと必然的に極端に成長が遅い個体なども一定数は出てくるでしょうね!
・つまり?
水槽飼育下においても自然下同様に「弱い個体」をふるいに掛ける必要があります。これはブリーダーの宿命でもあるので『命を粗末に~』『しっかり育てるべき~』という類の話ではありません。コレが無理なのであれば生き物のブリードには向いていません。何も残酷な話ではなく、あくまでも自然の摂理です。(※正しい飼育環境が必要)
・都市伝説?
将来的な環境変化に備えてザリガニ達は「成長速度」を自ら変化させる(※遅らせる)…?
一度くらい聞いた事があるかな?
【ジャンボタニシの卵】
このピンク色の物体がそうですが、この卵には毒があるそうで現状は天敵(捕食者)がいないとされています。
こういう特殊な生き物ならまだ説明が付くと思うんですよ?
ただ…ザリガニ…
・すっげー弱者だけど?
北米大陸のミシシッピ川流域に生息するザリガニたち(※俗に北米種、北米系)の生息環境を調べれば1発で判断できますが、基本的に序列は下の下であり非常に弱い立場の生き物です。
『ワイはちょっと成長止めるわ~』みたいな悠長な事を…そんな余裕があるとは到底思えないんですけどね?(※後述)
・すっげー強者だけど?
方や日本固有の在来種であるニホンザリガニは圧倒的強者です。ヒグマやアライグマの存在を加味すれば暫定1位ってところでしょうか?
・つまりだな…
食物連鎖のピラミッドにおける最下層の生き物の基本的な傾向として「いち早く大きく成長」してナンボと言える側面があります。ただし、あくまでも傾向に過ぎないので甲殻類縛りであろうがザリガニ縛りであろうが例外的な種の存在も否めません。
小さいですよね?
同腹の兄弟であり同じ環境で飼育をしていましたが、ここまで極端に差が付くのもどうかと思います。
が!
あくまでも基本的な傾向としては「栄養の摂取量=成長速度」が成り立つはずなんですよね!
・大阪城公園
当ブログではお馴染みの僕のホームです。僕の飼育方法はこの場所を参考にしてるので「どうすればココと同じ結果になるのか?」を考えていくと、どのルートを辿っても最終的には“エサ(人工飼料)の与え方”に落ち着きます。
つまり?
以前にも一度どこかで書きましたが、ハッチアウト直後の稚ザリに人工飼料を与える必要はありません。(※正しい飼育環境が必要)
水温にもよるけど1週間ぐらいかな?
何が起こるのか?
直ぐに「脱皮殻」の争奪戦が始まります。兄弟の脱皮殻をいち早く多く集めれた個体から大きくなります。確認してるとわかりましたが、脱皮殻の“存在”に気付くスピードにバラツキがありますね!
つまり「生への執着心」です。
その後10~14日で個体差が目立つようになるので、ここから人工飼料を投入し始め…全ての個体に行き渡るほど与えなければ更に差が広がり…あ~ら不思議、大阪城公園と同じ結果にw
・捕食という概念
ザリガニは共食いをする!
一度ぐらいは聞いたこと…いや体験があるよね?ザリガニにとってザリガニは「至高のエサ」だから“落ちていれば”問答無用で食べます。前にも書いたね?
成分的には「ミズムシ」や「ヨコエビ」も同じだから代用できますが、ザリガニ飼育における「共食い」というワードをしっかり理解してますかね?
ザリガニがザリガニを食べる「行為」が共食いですよね?
友(達を)食(べるこう)い?
そもそも「親」「兄弟」なんて概念を持ち合わせてないでしょw。オスとメスですらスイッチが入らないと認識しないけどね?
・共食いではなく捕食
コレが「自然淘汰」の最終形。
結果的には「ザリガニがザリガニを食べる」ということになりますが、実は「共食い」なのか?「捕食」なのか?の捉え方一つで作る環境も大きく異なり絶対に外せない大事な項目になります。
大丈夫?ついて来れてる?
本当はね、この辺りを詳しく【多頭飼育論】で書こうと思ってたんだけど、すっげーーーー長くなるし流石に飽きたからテキトーに考えてね。ゴメンw
長くなったなw
ここからが【本題】ですw
1次選別後に確保した成長が悪い個体6匹です。本当はもう1匹いて計7匹だったんだけど、1匹はそのまま違う環境に移しました。
とりあえず、まだウォチタの抱卵は1回目ですが全稚ザリ数における「成長が悪い個体」の割合はアメリカザリガニと同じですね!
サイドラインが少し青いね!
そして色が薄い!
先ほどの生体よりも1回り小さく更に色が薄いですね!
極めつけがコレね!
兄弟間の生存競争に連敗したんだろうけど、大きな両ハサミが2本とも欠損しTL1.0㎝ほどの全く成長していない、オマケに色も超絶薄いですよね?
比較の為に同腹兄弟の平均サイズを入れると?
どれかわかるよね?
これぐらいの差ですね!
TL2.0㎝ぐらいだと「TLベース」では2倍となりますが、「質量」で見ると8~10倍ぐらいになってない?
僕の“基準”ではこの6匹は処分対象なんだけど、せっかくなんでもう少し育てようと思います。
この画像ではわかりにくいから
まだ小さいけど色味は完全に親と同じです。最大でここまで濃くなりますね!
しっかり育ててやれば小さくてもこれぐらいには仕上がりますね!
同じ兄弟でしょ?
お金を出して買うなら『どっちが欲しい?』って感じで決めればさほど悩む必要はないのかな?と。
『環境~っ環境~っ環境~っ』って良く言ってるでしょ?
別にザリガニに限った話じゃないけど、しっかり手間暇を掛けて飼育をすれば生き生きとするよね?
それが飼育の醍醐味でしょ!
違った?
続く。