はい、では!
現在はたぶん北海道ぐらいにしかまともにいないであろう日本固有の在来種であるニホンザリガニ。
アメリカザリガニを筆頭に外国産ザリガニを飼育してる人は知っているであろう、ヤフオクなんかでもけっこうな頻度で出品されているので何なら一度は『飼育してやろう!』と考えている人も少なからずいるんじゃないですかね?
で だ !
何と言うのかな…?
日本という国は世界と比較しても平和な国家であり、ペット産業を見渡しても法律で制限された種以外はお金を出せば購入できます。もちろん知識や経験や免許や許可が無くてもお金さえ出せばいくらでも購入できます。
故にこういう事の温床になる訳ですね。それに販売ルートが無ければ誰も違法な捕獲や持ち出しをせんでしょうに。コレは「鶏と卵の関係」というか…「売春」というか…『売る奴がいるから買う奴が出てくるのか?買う奴がいるから売る奴が出てくるのか?』
ケースバイケースだと思いますが、これは「外来種の放流」にも通じ一部のワガママな奴のせいで最終は連帯責任になる事だけはしっかり覚えておきましょうね。まぁ「馬鹿基準」と言うか何と言うか。
ではニホンザリガニは?
現在は環境省によって【絶滅危惧Ⅱ類】に指定されていますが、特に制限がないので自由に好き勝手に何でもできます。
要はね、アメリカザリガニですら満足に飼育できないようなド素人であろうがお金を出せば購入できます。いや~なかなか根が深い問題ですよね。
コレについては色々な“考え方”があるとは思うんですよね。現に北海道庁にも確認を入れましたが、ニホンザリガニよりも他の希少種に注力してるよね。植物とか蝶とかに。
・飼育しても大丈夫?
日本国は法治国家だから残すは倫理的な問題ですよね。例えばね、COVID-19の感染拡大を抑止するために「パチンコ屋」が少し話題になっていますが、営業を止めさせようと思ったら最初に法的根拠を示さないといけないんですよね。無理なんだけど。
つまり人権国家である以上は法律の制限内であればお咎めが一切無いのが実情であり、皆がニホンザリガニを飼育できる“権利”を有している事もまた事実と言えます。
では、何でも良いか?
別の問題だよね?
・何が難しいのか?
僕は生き物に疎いから「難しい」の基準がよく分かりませんが、アメリカザリガニの飼育でもここまで無茶苦茶が蔓延っているのに何をどう考えれば「ニホンザリガニ」に手を出せるのか…僕にはちょっと理解できないんですけどね。
・最難関はズバリ水温!
正しくは「水温管理」になりますが、コレが全然理解できていないというか…
そもそもね(笑)
ニホンザリガニって【絶滅危惧Ⅱ類】ですが、現状は探せばまだ北海道にたくさんいてますよ。何も環境省が指定する【絶滅 (EX)】や【野生絶滅 (EW)】ではないんだから、ニホンザリガニをしっかり飼育したいのなら北海道まで観に行けばいいじゃん。生き物が好きなら当然できるよね?
・水温管理を可視化
漠然と「水温管理」と言われても“自然”を知らない「想像飼育」しかやってない人にはチンプンカンプンだと思いm…。
これが分かり易い例えになると思いますが、赤のラインが「アメリカザリガニ」で青●が「ニホンザリガニ」です。
以前どこかで書いたような気がしますが、ニホンザリガニを安定的に長期飼育しようと思ったらど真ん中のストレートを投げないといけないんですよ。それも全球。
一方のアメリカザリガニであれば新庄のバットが届く範囲であれば基本的にストライクカウントでイケますよ。つまり「生け簀」で飼育しようが死なない個体も出てくるわけ。自然環境に与えるインパクトという意味ではアメリカザリガニのヤバさの“本体”はコレなんですよね。
・最高水温は20度を厳守
ニホンザリガニは在来種だから水温関連を調べていけば多くの文献で「20度」という数字が出てきます。
コレを守れ!って話ね。
で だ !
公表はしなくてもニホンザリガニに手を出した人って意外と多いと思うんですよ。一度でも飼育をした事がある人なら内心は『20度を越えても問題なかったけどなぁ…』って思ってるんじゃないですかね?
大いなる勘違いです!
最高水温については「18度」でも良さそうですが、この水温にしようと思ったら空調管理では間に合わないから「水槽用クーラー」が必須になり、出来れば2サイズほど上の大型が理想です。低用量を四六時中ブン回すよりもコスパが良いからね!
・夏場だけ冷蔵庫…案
もうねwwwww
何と戦ってるのか知らないけどそこまでして飼わないといけない理由がわからないし、完全に“目的”を見失ってるよねw。
むしろ怖いわwww
冒頭に出したニホンザリガニは昨年2019年7月に大阪市内のとあるペットショップで見つけたものです。僕自身は初めて生きたニホンザリガニを確認しましたが、いろいろ驚いたこともあり感慨深かったですね。
実際にこの時も店員さんと少しお話をしていたら「冷蔵庫」のワードが飛び出してきました。ちなみに、けっこう安かったけどもちろん購入してません!
って言うことは?
どうしても水温が上がる夏場を乗り切るために「冷蔵庫が使える」を広めた奴がいるんだろうね。もちろん本来の「飼育」からかけ離れた力技ですが、できなくもない…。「緊急避難」という意味ではアリのような気もしますが、とにかく全然センスを感じないけどね。
こういうのを使うのかな?
これぐらいの容量で小さな生体の単独飼育であれば…いやゴメン、これをベースにオーバーフロー式で作れそうな気がしてきたw。でもさ、コレを新品で購入することを考えれば素直に水槽用クーラーを買ってだな…。不要になっても淡水のみだったらそれなりの価格で買い取ってくれるし!
それはいいとして
かなり小さいよね?
すっげー元気だったのは覚えていますが、プラケに入れてるだけで特に水温を下げてるようには見えませんよね?僕も気になったから店員さんに確認したら『たぶん22度ぐらいです。』だってさ。
このような倉庫店舗の場合は空調に動力を使っているので家庭用に比べパワーがあります。風がダイレクトに当たる場所に置いてるので水温が設定温度よりも下がり「22度」になるらしい。夜間は知らね。
『じゃ問題無くね?』
こういう書き方だと↑の考え方になると思いますが、ニホンザリガニは日本固有の在来種であってそれなりに研究もなされてきたわけでしょ。その中で出てきた「20度」の数字はやっぱり守らないと申し訳が立たないし、素人が根拠無しに簡単にひっくり返してよい事案ではありません。本当に問題がないと言い切れるのであれば先に論文を出した方が良いだろうね。
逆説的には外国産ザリガニなんて少々無茶をしようがノールールで構わないだろうけど、【絶滅危惧Ⅱ類】の取り扱いについては細心の注意を払うが必要があるんじゃないですかね?
・ワンモア可視化!
ニホンザリガニはザリガニ種の中でもとりわけ特殊なので以前どこかで『見た目はザリガニだけど、ザリガニと思わない方が良い。』と書きました。
要はね、アメリカザリガニのノリで飼育をすると100%失敗します。中には『そんなもん、やってみなわからんやろ?』っていう意見も出てきそうですが、そもそも生き物の飼育に根性論は不要です。素直に自然を真似ましょう!
【大阪の気温の変化】
ちょっと古いデータなのでここ数年は最高気温が37度とかですよね。出てる数字は平均値かもね。北限の北海道や南限の沖縄県では描くラインが異なりますよね?まぁいいや。
ニホンザリガニを飼育する為に「水槽用クーラー」を用意したとします。『20度を守ったらええんやろ?』を言葉通りに“そのまま”実行したらどうなるかわかりますかね?
これが完全に落とし穴。
その前にね、上で書いた「冷蔵庫」を用いるとどのようなラインになるか想像できますかね?簡単に言うと「1年間に冬が2回来る」ことになるって理解できますかね?春に産卵するニホンザリガニにとっては致命的ですよね?
【クーラー使用時の水温変化】
可視化すれば一目瞭然ですが、どれだけ鈍い人でもこのグラフを見れば『あっ…』って気付くでしょ。1年12カ月365日の内、半年間も“夏”があれば日本人だって体調を崩すけどね?
【正しい水温管理】
この黄色のラインが本来の自然というか、ニホンザリガニの長期飼育に必要な水温管理になります。
【 紫の部分が不要 】
4月下旬現在の大阪市内の我が家のベランダに設置してる水槽はやっと最高水温が20度になってきましたが、ニホンザリガニにとってはレッドゾーンに突入する時期を迎えたわけですよね。そりゃ“エンジン”が壊れますわ。
要はね、4月下旬であれば「水温10度以下」にしないといけないんですよ。ニホンザリガニの長期飼育に『なぜ水槽用クーラーが必須なのか?』の答えは『1年間の内10カ月ほどはクーラーの電源をONにするから!』なんです。もちろんお住いの地域にもよりますが。
大丈夫?できる?
コレが出来ないのであればニホンザリガニなんて飼ってはいけないし、そもそも【絶滅危惧Ⅱ類】をナメ過ぎだと思いますわ。『生き物が大好きです』なんて“言葉”を使ったところで無茶をやっていい理由にならないし、免罪符にすらならないからね。
で だ !
ここまで書いたら『お前もニチザリを飼ってただろ?』な~んて言葉が飛んできそうですが、そもそも僕はニチザリにさほど興味が無いし息子一人の為に飼育することは無いですわ。
僕が設計した「ザリガニ専用オーバーフロー水槽」に水槽用クーラーを接続すればニホンザリガニであろうが簡単に長期飼育が可能ですが、やるにしても現在我が家にいる外国産ザリガニを全て処分してからだね。これも守るべき“ルール”だよね。
そういうわけで!
コッチなんだなぁ~(笑)
この2つの大陸にはある共通点が存在しますがご存知ですかね?コレを調べるにあたりニホンザリガニも少し調べていた程度なんですよ。
『なんでこうならなかったのかな~』っていうのが率直な僕の疑問であって、せっかくザリガニを飼育してるのであればいろいろな事を調べた方が圧倒的に楽しいよね!外骨格の色味とかには何の興味も無いけどなwww
・楽に飼育できないのか?
ニホンザリガニを家庭の小さな閉鎖的な環境で飼育するにはイニシャル&ランニングコストに加え「愛」が必要になります。それに水温以外にもたくさん大事な項目があるしね。
面倒くさいよね?
道民限定では
夏場の水道水の水温を加味すればコレを使った飼育方法もイケるでしょうね。やった事がないからシランケド。てか、問題が起きても責任は取れないけどw
で だ !
北海道以南の在住者は腹を括る覚悟が本来は必要ですが、簡単に飼育ができる方法を最後に書いておきたいと思います。
1.ニチザリを探す。
2.不動産屋を回る。
3.土地を購入する。
めっちゃ簡単www
オマケにノーメンテw
『コレがワイの水槽や~』って水源をバックに写真撮影してSNSに出せばいいんだよ。何ならヒグマと肩を組んでツーショット写真が撮れれば「いいね」が大変な事になるし、ワンチャン…J-CASTが取材に来てくれるかも⁉(※ヒグマが言うことを聞いてくれるかは不明。たぶん無理)
終わり。
あっ…忘れてた!
・筒のデメリット
この記事内で塩ビパイプについて書くって言ったような気がするので「答え」を書いておきますね!
これは【正の側面】いわゆるメリットから考えた方が楽ですが「穴の中に入る」になります。
続いて【負の側面】いわゆるデメリットですが、【正の側面】と同じく「穴の中に入る」になります。
つ ま り ?
「入り口にあらず出口にあり」
ってことですね!
終わり。