久しぶりの【奮闘記】であり、久しぶりの「バーンスポット」ネタですね!
これまでにバーンスポットの記事を幾度となく書いてきましたが、今回は違った角度から撮影ができたので紹介したいと思います。
9月の頭頃に大阪城公園でこの2匹を捕獲しましたが、持って帰る途中で小さい方が捕食された…は別にいいんだけど、この画では大きい方の色味がよくわかりません。
この個体が放流されて数時間後の“ピカピカ”であれば用がないので持って帰る必要はありませんでしたが、現場で実際に肉眼で見る限りでは“ネタ”になりそうだったので持って帰ってきたという経緯になります。
それなりの大きさだったので空いてる水槽にダイレクトイン。
翌日確認すると姿を消す。
もしや…脱走したのか…
上の方に写ってますけどね?
ピントが合ってないので画像ではわかりにくのですが、薄っすらというかまぁまぁ「セメント腺」が出始めていたんですよね。
これがプランAですね!
このまま放っておけばその内産卵をするわけですが、ここで「有精卵」になるのか「無精卵」になるのか? ここが運命の分かれ道…いや、現在の大阪城公園に生息してるアメザリの実数を考える上でも参考になるかな?みたいな。
ちなみに有精卵だったら生まれた稚ザリはポン吉のエサにする予定でした。
予定でした…???
からの脱皮ですねw
奥に生体が写っていますが、なんとなく色味がわかりますかね?
ではプランBですね!
つまりこの生体はどちらに転ぼうが“ネタ”になる事が判明していたので蚊に刺されながら必死の思いで捕獲したわけですね! スケベ♥でスマンなw
どうですかね?
「Procambarus属」の中でも全身が真っ赤になるのは「clarkii」ぐらいだと思うので、個人的にはアメザリなんて赤色で十分だと思ってますが何か間違ってますかね?
少し前に捕まえた稚ザリ。
だいぶ白くなってきたね!
な~んでだっ?
本当に「色遊び」をやりたいならこのような基本から押さえた方が良いよ!って話ですね。
では始めようか!
てか、ボロボロじゃないですかー。
とりあえずサルベージ!
TLは7.5㎝ぐらいかな。
『脱皮殻を食べさせた方が良いのか?』と無用な論戦がありそうですが、ぶっちゃけどちらでも構いません。自然下では自分の脱皮殻を食べれる方が稀ですから!
ただね、ここまでバーンスポットが酷い場合は絶対に取り除いた方が良いと思います。オマケに水質が悪化すると思われるし。
幸いなことに?脱皮殻の色味が薄いのでよくわかりますが、細かく写る茶色の線傷が全て「バーンスポット」になります。
しかし凄い数だなぁ…
けっこう生々しい傷跡ですよね。
実際のところ損傷個所から茶色く変色するまでの時間軸は気温や水温、水質等々の外部要因で多少は前後することからこの生体の放流時期を逆算することは難しいですね。
頭胸部の側面や後ろ側の脚にも細長い線傷が確認できるので、強引に狭い場所に逃げ込むことが多かったと思われます。
大きなハサミの側面も相当擦れたんでしょうね。
ココが一番酷いかな?
通常の自然下や飼育下ではまずこのようなバーンスポットを確認することはできません。
つ ま り ?
この生体を捕獲した時の記事はまだ公開してませんが、人工の小川の中間部分のコンクリート造の場所なんですね。
ある程度まとまった雨が降ると多少は水位が上昇しますが、この程度の水位の期間もそれなりにあります。
この画の状態は泥が1㎝に水位が1㎝ほどなので単純に「水深2㎝」と考えていいのかわかりませんが、TL7㎝程の生体であればエラがギリギリ浸かり命を繋げるかどうかという極悪な環境になります。
すなわち脚を広げ「腹ばい」に近い状態で移動することが多かったと思われるので脚の付け根が擦れまくり重度のバーンスポットが発症した。と考えることができます。
セメント腺と思しき白いポツポツが見えませんかね? わかりにくいかな?
右側に黒い線が見えますよね?
何だったっけ?
要はウンコがでてくる腸管なんですけど背ワタ?
しかし凄いな…
ザリガニの脱皮は上部が広がり割れるように「く」の字の形でぴょーんっと出てきます。
このフワフワした部分が「エラ」になります。
これは「歯」かな?
上下に2枚確認できますが「歯」にしては少し大きいような?
尾裏側のヒラヒラ
複数の触覚たち
お口周り
薄い透明の膜が確認できると思いますが、なんとなんと「眼球」まで脱皮します。
もう『全身リフレッシュですか?』というぐらい何がどうなっているのか僕にはわかりません。専門家にでも聞いて下さい。
ち な み に !
ハサミや脚、長い髭が欠損しようが再生することが可能ですが、どうもこの「眼球」は再生しないようです。
ザリガニ種のウイークポイントは尾裏側の鎧に覆われていない部分ですが、実はこの顔の周りもウイークポイントになります。
確かウォチタだったと思いますが、この赤く塗った部分を齧られたどんくさい奴がいましたが、その後どんどん弱っていき12時間以内に死にました。
だからさぁ、大きなハサミが取れて『何で死なないの?』と思った人は割とセンスが良いですが、アレは切れても特に問題がない自切ポイントで切れているから体液というか血液が漏れないので死ぬことはありません。
すなわち、切れてはいけないポイントを大きく負傷または切断すると高確率で死にます。ザリガニを詳しくなりたいのであればこういう事も知っておいた方がいいよ。
そういうわけで…
・外骨格の総括
過去記事でザリガニ種の外骨格を「鎧」と表現しました。そして「生きた細胞なのか?死んだ細胞なのか?」についても書きました。
要は「死んだ細胞」であれば人間でいう「爪や髪の毛」に相当するので自己修復することはありえません。
バーンスポットが細菌性であることからザリガニ種の外骨格は「生きた細胞」が確定します。
では、なぜ修復しないのか?
ココからは完全に僕の憶測になりますが、自然下の生体でもバーンスポットを発症している事実から、そもそも修復する気がないと考えることができます。
というか、「脱皮」が事実上の「修復」にあたるので気にしてないんじゃない?シランケド
ちょっと真面目な補足をしておくと、かつてザリガニ種の一生を「任侠道」に例えたことがありますが、このようなド底辺の生き物は生息する環境によっては「種の存続」が難しい場合もあり、逆に交尾からの産卵抱卵からの稚ザリをハッチアウトまで持って行ければ“勝ち”とも言えます。
「想像飼育組」はチンプンカンプンで理解できないと思いますが、仮にバーンスポットを自己修復できる選択肢があったとしてもたぶん選んでいない!
これはザリガニ種の「進化」の話になってきますが、オスは両方のハサミを欠損すると交尾ができません。どのような生き物であろうが「傷を治す」には相応のエネルギーを必要としますが、バーンスポットを治すぐらいならハサミの再生に全エネルギーを振った方が「種の存続」の可能性が高くなる。
知らんけどな?(真顔)
この「進化」とは環境の変化に順応するために生き物が独自の形態に変わっていく様ということでよろしいかと。知らんけどな?
まぁ…中には…
ちょっと残念というか、間違っちゃった奴もいるんだけど…w
そういうわけでね、基本的に「個体差」という概念もあるし、飼育の上手い下手だけではバーンスポットをコントロールできないと考えていますが、もしも単独飼育でバーンスポットを発症するようであれば「飼育水が汚いからさっさと換水しろ!」と覚えて下さい。
そんなもんかな?
そうそうそう!
小学校であればこういう感じで低学年がお世話をしますよね?
教育現場であれば1シーズンのみだしコレでいいのかな。
一般家庭でこの水位はダメなんですよ。
わかるよね?
おわり