読売テレビ(す・またん!)で放送された「大阪城アリゲーターガー捕獲作戦」
関西ローカルとはいえ、地上波で放送された同番組の一部演出について非常に疑問を感じたので実情を確認しました!
当事者全ての話を確認したわけではないで若干一方的な内容になりますが、たぶん間違っていないと思います。そして…かなり長くなります!
今回の放送は素人目線では『大型で危険な特定外来生物のアリゲーターガーを駆除しよう!』に映ると思いますが、実情はそう単純でもありません。
大阪市民でも大半の方が知らないと思うので、先に現在の大阪城公園の維持管理方法について説明します。
敷地面積は1,055,643㎡
「公園」の名称が付いていますが
歴史的建造物の大阪城と内堀・外堀に加え大阪城ホールにMIRAIZA OSAKA-JOとすでに「公園」で括って良いのかわからないものになっています。
通常の公園の維持管理は地方自治体(市職員)になりますが、2003年の地方自治法改正に伴い指定管理者の基準が緩和されため、2015年~2035年までの20年間は大阪城パークマネジメント共同事業体(大阪城パークセンター)が指定管理者になりました。
同じように
大阪市天王寺区の天王寺公園(てんしば)
阿倍野再開発(4,800億円投入)で綺麗に整備されましたが、エントランスエリアは近畿日本鉄道が管理運営事業者になっています。
つまり
何かあった場合の問い合わせ先は大阪市建設局から両事業者に移管されました。
整理できましたかね?
災害等で大規模修繕が必要になった場合は大阪市が対応する事になりますが、不測の事態が起こっても原則的に両事業者が実費にて対応することになります。
例えば
(出典:ANN-NEWS)
今月5月21日早朝に遊具広場の石積みに油性スプレーでの落書きが見つかりましたが、対応するのは指定管理者であり大阪市ではありません。
わかりやすく説明すると財布が別ということです。
コレについては
(出典:MBSニュース)
企業名は公表されていませんが、淀川区の民間企業が無償で洗浄作業をしてくれました。
企業名を出すと『売名行為だー』とすぐにバカどもが大声で吠えますが、本来は称賛される行為であり金を出さん奴に限って無責任な発言をする風潮は何とかならんかね?
そういう訳で、この「大阪城内堀のアリゲーターガー問題」においても対応するのは指定管理者であり大阪市ではありません!
放送された番組を観ていない方が大半だと思うので、今回の登場人物を大きくまとめると
1.アリゲーターガー
2.指定管理者
3.大阪市
4.読売テレビ
5.出演者
この5つのグループになります。
僕が確認したのが2.3.で、4.5.については時間の無駄なので省いています。
最近話題の日大アメフト部の問題にしろ何かしらの犯罪にしろ、このような場合は立場的に弱者から話を聞くことがセオリーになると思います。
それでは恒例の指定管理者への「一問一答形式」になります。
・アリゲーターガーを初めて確認したのは?
2016年5月頃 市民の通報で指定管理者が現認した。
・どのような対応をとるのか?
大阪城のお堀に大型の外来生物は似つかわしくないので駆除する方針。
・大阪市との連携は?
全ての事案を大阪市に報告しており今回のアリゲーターガーについても協議をしたが、対応するのは指定管理者であり大阪市は何もしない。
・指定管理者が駆除予算を全額持つのか?
契約内容に含まれているので大阪市は1円も出さない。想定外の事象で人材や予算の関係上、頭が痛く迷惑な話。
・2017年に駆除がスタートしたのか?
1週間捜索を3回計200時間をかけたが駆除できなかった。
・今回の4回目捜索まで日数が空いているが?
冬場のオフシーズン中は市民からの目撃情報が1件も無く『死んだのではないか?』という憶測もあり様子を見ていたが、今年4月頃に確認ができたので今回の捜索となった。
・そもそも危険視しているのか?
アリゲーターガーの人への危害の報告は国内外でもさほど確認されておらず、大人しい生き物という認識。
・その為に駆除対応が遅いのか?
読売テレビが駆除予算を全額負担する代わりに地上波で企画を放送する。先方の都合で捜索時期や回数が決まる。
・指定管理者は駆除予算を捻出しなくてもよくなったのか?
全面的に取材協力をする代わりに予算は全てテレビ局が出してくれる。
・今回駆除ができなかったら次回はいつか?
テレビ局の都合によるため時期は未定。
続いて一度大阪市に確認をします。
わかりやすいように色を変えます。
・アリゲーターガーの駆除について指定管理者が対応していると聞いたが?
このような事象であっても契約上は指定管理者が対応をする。
・予算の都合で日数がかかっているが?
指定管理者が決める問題である。
・危険視しているのか?
アリゲーターガーは大人しい生き物と聞いているので危険とは思っていない。
・なぜ駆除するのか?
歴史的建造物のお堀に外来生物は似つかわしくない。また内堀では大阪城御座船を運航しており
ごく少数だが市民から不安との声も頂いている。
・「かいぼり」で駆除する予定は?
大阪城内堀は「かいぼり」をする構造になっていない。また出来たとしても莫大な費用がかかるので危険視していない生き物の為にそこまでの予算は組めない。
・静観ということか?
原則的に指定管理者が解決する問題という認識。今回は「大阪城のお堀」という事で問題化している。
・大阪市内の別の場所で確認されていれば?
大阪市内の池は全て柵で囲われており立ち入る事ができないように対策をしている。別の池や川等でアリゲーターガーが見つかったとしても市民の生活に直接影響がでないので駆除はしない。同じ特定外来生物でも「ワニガメ」「カミツキガメ」「タイワンハブ」等の危険な生き物が見つかれば早急に対応する予定。
それよりは「ヒアリ」を注視している。
もう一度指定管理者に戻ります。
・番組の企画に参画してるのか?
基本的にテレビ局側にお任せしている。
・番組の出演者については?
基本的にテレビ局側にお任せしている。
・水中銃や弓矢と危険な道具が出てきたが?
昨年の捕獲作戦でも市民からクレームがあったので下手に不安を煽る演出や過激な演出についても放送しないように申し入れをしている。
・捕獲できれば殺処分するのか?
調理して「食べる」と聞いている。そのような行為も全て公園敷地外でするように申し入れをしている。
・発見から丸2年が経ちいつまで続けるのか?
今回駆除できなければ再度大阪市と協議をする事も検討。
っとまぁこんな感じでした。
そろそろ…
真面目に書くのが飽きた!
最近コレ↑にハマってます(笑)
ここからは大阪市民の僕が超本音でこの企画の趣旨を補足していきます。
まず、現在の大阪市の人口は約271万人になり都道府県と比べると12位広島県(283万人)と13位京都府(260万人)の間に入り、今年度の予算を確認すると
一般と特別を併せて3兆8900億円になり、交付金や補助金の絡みで単純比較できませんが弱小県よりも経済規模が大きいです。
故に大阪市長には強大な権限があり橋下-松井のWトップになるまでは大阪府と仲が悪かったわけです。
そして、この予算の中で外来生物の駆除費は1円も計上されていません。
つまりそれだけの認識という事ですね!
裏返せば大阪市民の270万9000人ぐらいはこのような問題に関心が無いんでしょう!
よくよく考えたら僕もそんな出来た人間じゃないし、たまたま大阪城公園に通っているからアンテナを張ってただけ、外来種のザリガニを飼育してなければこの問題にも興味が無くて記事にする事もなくスルーしてたと思います!(←自信アリ!)
まぁそんなもんですよね!
この企画を改めて振り返りますが
テレビ局は煽りに煽ってますよw
特にテレビ業界は偏向報道が問題になっており、TBSは不買運動からスポンサー離れが深刻化してますよね!
これぐらいしないと他局と差別化が図れないし、インパクトも出ないんでしょうね!
出演者(ガー特捜隊の4名)は出演料が安いんじゃないかな?
いつまで続くかわからない外来種駆除ブームの間にしっかりメディアに露出して名前を売っておかないと1年後ですら危ないんじゃないかな?
指定管理者も想定外の予算計上は厳しいし、責任を丸投げできる大阪市。
これらを踏まえると上記4者の思惑が合致した企画であり、そこにはアリゲーターガーも大阪市民も不在と言えます。
で、思ったわけ!
いっそここでガーを飼っちゃえば?
「特定外来生物」だから安易に殺処分するってのも滑稽だし
もうの~びの~び優雅に2年も生きてるでしょ?
っていうか
この2年は何を食べてたんだろうね?肉食らしいのでブラックバスやブルーギルの幼魚かな?
大阪城公園は中国人観光客が多いんですね!
もうさ、上のMIRAIZA OSAKA-JOで「ガー饅頭」とか「ガーTシャツ」を作って売れば?
中国人ってアロワナが好きなんだけど、同じ古代魚のガーもウケると思います(テキトー)
今後もこのような問題が全国的に出てくると思いますが、結局落とし所がわからないし円満解決なんて無いよね?
どうしたものか…?
終わり。