日本市場で流通してる【牛】を大きく分類すると「和牛」「国産牛」「輸入牛」の3つに分けることができます。
細かい説明は趣旨がズレるので省きますが、簡単に説明すると「和牛」は純国産の牛で単純に価格が高いですね!「輸入牛」も字の通り諸外国から輸入されたものなので価格が安いのでこの2つは簡単に区別がつきます。
・問題は「国産牛」!
字だけを見ると日本国内で生産された「和牛」のイメージがあり勘違いしやすいですが完全な別物になります!
一番有名な種では牛乳を生産する為のオランダ原産のホルスタイン。これのオスは全く価値が無いのである程度大きく育てたものは食肉加工されますが、日本市場に流通している約半分がコレになります。
昔は3ヵ月ルール(割愛)がありましたが、現在は最も飼育された期間の長い場所(最長飼養地)を原産地として表示できる取り決めがあります。
その他の有名なものでは「下関のとらふぐ」や「あさり」がそうですが、これはJAS法で決められたルールなので「産地偽装」の類ではありません!
説明が少し長くなりましたが、今回は【国産牛】の理屈から「野生の色変わりアメリカザリガニ」を再考したいと思います。
以前にこのような記事を書きました。
どのみち今更検証できない内容なので真相は不明ですが、僕はどうしても「白化」や「変色」の原因が気になります。
この記事内では『東洋の奇跡の副産物で白化個体が生まれ、結果としてタイゴーストザリガニが誕生したのであれば浪漫がある』と綺麗事で綴りましたが
はたしてそうなのか?
今やザリガニ業界では当たり前のごとく天然採取の色変わり個体に「どこどこ産なになに」という名称が使われていますよね。
代表的な物では「白髭」「フェイド」「クリア」とかになるのかな?
全く覚える気が無いから間違っているかもしれませんが、各部の色味違いを誰かが勝手に命名した総称なので特に深い意味や純血もクソもないと考えています。
まぁ…色の出方を「QZ05-B型のF3」とかアルファベットと数字の羅列で表記されるよりはわかりやすいと思いますけどね!
でね
この自然環境下で誕生したと思われる日本発の色変わりアメリカザリガニたち。
色変わりの理由が本当に劇物による遺伝子の破壊であれば…「人間によって作られた可哀そうな生き物」になるんじゃないか?と。
創造神への挑戦やな!
そう…これを考え出してから…
最近どうもやる気がでない…
やっぱり…原種のレア北米系にスライド…
先にもう一度この「変色原因」を角度を変えて考えてみます。
ようはアメリカザリガニは北アメリカ大陸の「ミシシッピ川流域」が原産とされています。
本場のアメリカザリガニに色変わり個体が一切いなければ、日本国内の野生下の色変わりアメリカザリガニは全部アウト!必然偶然を問わず「欠陥品」の烙印を押さざるをえないと思います。
では、一度ミシシッピ川を確認します。
これです!
すでに超絶嫌な予感がしますね(笑)
源流がミネソタ州「ミネアポリス」でメキシコ湾(河口)側がルイジアナ州「ニューオリンズ」になり全長は3,779kmになります。が…
これが本流です!
右側のテネシー川も含まれる(修正がメンドイ)ので支流の支流までを含むとミシシッピ川本流に合流する支流は30本ぐらいあります。
注目はミズーリ川(最長の支流)で全長は4,130km。本流よりも長い支流は世界的にも珍しいそうです。
あえてツッコミますが…
『どこにおるのよ…?』
アカミミガメもそうだけど、北アメリカ大陸を原産とする水生生物はとりあえず「ミシシッピ川」と言っとけ感…
日本の川TOP10と比較すると
細長い日本列島ではどの島でもほぼ中央に分水嶺があるので、1位の信濃川でも367㎞と短くミシシッピ川本流の約1/10の長さです。
ミシシッピ川の規模は日本人には到底理解できないレベルですね!
続いてGoogleマップに切り替えます。
これでは1本1本の川が写りませんが、注目はアメリカ合衆国の面積で9,626,630km²と日本の国土の約25倍になります。
このスケールのまま移動すると
日本列島がこれぐらい
これを切り取り、同尺度で重ねると
こんな感じになります。
ミシシッピ川本流だけでも北海道稚内市~鹿児島県鹿児島市がすっぽり収まりますね!
以前のニホンザリガニの記事では
「北海道」と「大阪市」の面積比を書きましたがソレの比ではありません!
ミシシッピ川本流だけでも10州にまたがっているので支流までを含むと宝くじの1等前後賞が当たらないと個人での調査など無理で流して調べても1ヵ月以上はかかりそうですね!
ついでに上と下の気候を確認しますが
源流側の「ミネアポリス」
最高気温が28度 最低気温が-13度
真冬の北海道では西側と東側で降雪量が異なるので単純に比較できませんが、およそ北海道ぐらいと考えられます。
河口側の「ニューオリンズ」
最高気温が34度 最低気温が9度
沖縄本島よりも奄美大島ぐらいになるのかな?
上と下で全然気候が違いますね!
つまり?
『どの辺りにどの種がいるの?』状態で
米国での調査は無理!
余談を挟むと現在のザリガニの種類は600~種と言われ内400種ほどが北米にいるとか?
この面積と水域の広さを考えれば納得…でもない?どうだろう?ちょっと緻密過ぎるかな?
では
さらに違う角度で見たいと思います!
僕がアメリカザリガニの生体観察をするホームである「大阪城公園の人工の小川」です。
これは大阪市が作った人工物になり作られた時期を調べました…
が!
詳細な時期がわかりませんでした…
昭和60年代に大阪城公園一帯の大規模改修をしてるので『たぶんその辺りだろう…』と。
大阪市建設局にかなり調べて貰いましたが関連資料が残っていないそうです。
まぁ…その頃の大阪市の行政は橋下前大阪市長ですら気絶するレベルのズブズブだったので残っていると期待するだけ無駄だったか…
ただ。昭和60年代というのは確定です。
昭和天皇の崩御が昭和64年1月7日なので、昭和60年代は昭和60~63年の実質4年間になり、西暦に換算すると1985~1988年。今年2018年から見れば30~33年前になります。
つまり?
日本で初めて「白化個体」が見つかったとされる頃と同じ年代になりますね!
ただ
この人工物が完成した後に生き物を放流したかどうかの記録も大阪市には残っていませんでした。
ただね
完成後に全く生き物がいない殺風景な小川は寂しいので「どの種をどれぐらい」と明確な記録はありませんが、かなり早い段階で一般市民が好き勝手にアレコレ放流したような話はありました。
アメリカザリガニについては話が出てきませんでしたが、その当時はバブル絶頂期でもあり今ほど「外来生物排除の機運」は無かったので比較的放流は早かったとも考えられます。(※これは完全に憶測)
これを踏まえて以前の記事では書かなかった変色原因の「近親交配の可能性」も少し考えたいと思います。
この人工の小川では稚ザリが大量に生まれるピーク時の9月頃でアメリカザリガニの総数が下限1万匹~上限3万匹になると計算していますが、エサらしいエサが全く無いので冬場にはガツンと数が減り、1年を通して生体数は安定しています。
変色に必要とする歳月を僕は30年で計算しているので若干の誤差はあると思いますが、ここのアメリカザリガニは累代が進んでいるハズなのに現状はものの見事に「アメリカザリガニの色」をしてるんですよね!
とにかく、この場所でも「白化個体」や「色変わり個体」がそろそろ出てこないと現在日本各地で当たり前のように色変わり個体が発見されている現象と辻褄が合わなくなりますよね?
先に言いますが、僕はこの場所では色変わり個体は出ないと確信しています。
この場所が作られたのが高度経済成長期の後で、垂れ流してる上水は近くの中浜下水場からろ過された一定基準の水で、この30年間で外部環境は一度も変わっていません!
この人工の小川は大阪市が造った人工物ですが、その辺の天然自然よりも自然自然してるので調査をするにはもってこいの場所になります。
さ~て白化がでるかな?
でもね、あと数年で出そうな気もします。
今やどこでもカラーザリガニが売ってるでしょ。
家の周りだとホームセンターでもカラーザリガニの実勢価格が1匹780円~980円なので、飼いきれなくってこの場所で放流…
あると思います!
そうそう!
コレも一度記事にしようと思ってたんですよね!
この場所で変な色味のザリガニが出ても僕じゃないからね!この前いっぱい死んだから放流するほど残ってません!
とにかく!
これは本場のミシシッピ川流域にも当てはまりますが、日本で初めて白化個体が見つかった時期に調査をしていれば比較的正確でしたが、今更どこでどの色味のザリガニが発見されてもそれが「完全な突然変異」なのか裏付ける根拠は無くなったと言えます。
「近親交配の弊害の可能性」を改めて考えます。
ザリガニは「無脊椎動物」に分類されますが
息子の愛読書を少し拝借して…
地球の歴史年表を見る限りでは「無脊椎動物」全般は進化にかなりの歳月が必要となります。
この話はもういいか…
漠然と遺伝子の数で比較すると人間よりトマトの方が多くなりますが、人間の世界では近親相姦がタブーとされています。
興味があれば見てね ↑ 。
ミステリークレイフィッシュという単一でクローンを生み出せるザリガニがいますよね?これが存在できることから相対的にザリガニ(甲殻類)の遺伝子は割と単純だと思われるので近親交配の影響は少ないとも考える事ができます。
別に生物学者を目指してるわけではないので一般的な話ね!
この事からアメリカザリガニは近親交配による累代をいくら重ねても本来は問題がないはずです。
とにかくさっさと誰かに「突然変異の真相」の最終結論を出して欲しいんですよ!
仮に「可哀そうな生き物」だったのであれば、現在我が家にいる生体は最後まで飼育しますが、僕はカラーザリガニの飼育を完全に辞めます!
今の所ザリガニ専用の水槽をワンオフするぐらい「生体観察」を楽しんでいるので、必然的にレア北米系に完全移行しますが…これも…
「密輸」の問題があるんだよね?
それよりも…
そもそも…この水温で飼育できるのかも知らない…
一応ね…書いていいのか躊躇しますが…レアな北米系の入手先はすでに確保しています。
直接取引をした方でメールで相談しても毎回物凄く丁寧に回答をくれるので…
まぁ…追々考えたいと思います!
かなり前フリが長くなりましたが、ここからがタイトルの本題です!
タイゴーストザリガニが本格的に流通し始め各々が好き勝手に拡散をしていますが、最近からザリガニの飼育を始めた方々は「アメリカザリガニはいろんな色がいて当たり前」「野生にもいろんな色がいて当たり前」になっているではないでしょうか?
割と危険な考えじゃ?
現状は元となる「白化個体」の出所や原因が不明なのにSNSでは常に新色発表会でしょ。
あとは自然採取の色変わり個体も人気だよね?
ここまでカラーザリガニが全国的に普及してしまうと作為的に「自然採取の色変わり個体」を簡単に作出できるよね?
大阪城公園の人工の小川みたいに毎日誰かしらが来るような場所でやると速攻でバレるけど、ド田舎の人が来ないような水源に原種のアメリカザリガニとカラーザリガニを適当に放流しておけば2年もすれば変な色味が出てくるでしょうね!
最大のメリットは
・飼育容器が不要
・どんな色が出るか楽しめる
・色味が良ければ売れる
こんなところかな?
すでに実行してる人が絶対にいると思います。
絶対に問題行為だと思うんだけど、全国的にやる奴が増えて公になると別の所からアメリカザリガニの規制への動きが再燃すると思いますね!
でもね
僕みたいなタイゴーストザリガニの流行から始めた人々には全く関係ないと言うかどうでもいい話なんだけど、ザリガニの色味や販売に情熱を注いでいる方々には辛いんじゃないかな?
要はね、流行で始めた人って基本的に定着しないから次の流行で消えるんですよ!これは産業界全般のお金の流れの常識ね!
色味でマウントを取りたい気持ちもわかるけど、ザリガニが好きならばそういう事も啓発していかないと…1人2人がやっても全く意味が無いけどね!
そういうわけで
カラーザリガニの色で遊ぶのは楽しいと思うんですよ。
でもね
ある程度は考えないといけないかな?と。
僕がこのような記事を書くだけでもザリガニ業界のネガキャンになると思うので、あと1本記事を書いたらこの手の内容は終わらして今後は「ザリガニの飼育を楽しむための記事」にしていきます。
最後の1本ですが…ズバリ!
【ザリガニとお金!】
最後にふさわしいタイトルwww。
いらんお節介だと思うんだけど、簡単に言えば潜在的な需要の話です。
要はね
・色味でマウントの取り合いをした所で誰も得をしない!
これですよ!
ざっと今よりも「流通量3倍-飼育数1.7倍-生体単価1.2倍」になれば新しい風も吹くしもっと活気がでるよ!
別に僕が得をする話ではないのでそのうち時間があれば書きます。
終わり。