【第1回分 補足(2-1)】からかなり日数が経ちましたが…あのね、【多頭飼育論】はとにかく文字数が多くなるから1本の記事を書くのにも時間がかかります。もうね、面倒くさいしちょっと飽きてきたから…では、張り切って【第1回分 補足(2-2)】になり、「隠れ家」については概ねこの内容で完結させたので…やっぱり長くなりましたw
【前編】にあたる前回の記事
こちらを読んで頂ければ「川に生息するアメリカザリガニの行動パターン」が何とく理解できると思います。
今回の内容はもう少し突っ込んで「隠れ家」を考えます。
・ザリガニはよく隠れる
もはや周知の事実でありここでつまずく人はいないと思いますが、アメリカザリガニは非常に憶病なので環境にもよりますが1日を通して隠れている時間がそれなりに長くなる場合があります。
ただし!
これは「その他環境」を前提とした生息環境寄りの話であり、本来の「川に生息」するアメリカザリガニの行動パターンを確認すると必ずしもそうとは言い切れません。
・「身を隠す」事が望ましい
アメリカザリガニは危険を感じると逃げます。隠れません。まず逃げます。(※結果として隠れる場合もある)
これはアメリカザリガニの習性なので、水槽飼育下においても「この環境」をしっかり提供してあげる事が理想と言えます。
そういう意味では、数はともかくアダルトサイズのザリガニを健康に長期飼育しようと思うと最低ラインで「規格60㎝水槽」になります。
・もちろん「穴」も有用
塩ビパイプの「エルボ」や「チーズ」等のザリガニがすっぽり入ることができる環境も大事と言えば大事になります。
・それよりは「動き易さ」
「穴」に入ると不測の事態が起きても身動きが取れません。
これを『どう考えるか?』ですね。
・ザリガニの「逃げる」とは?
対象との距離が近いと後方ジャンプで一気に距離を稼ぎますが、それ以外の比較的安全な距離であれば「後退り→Uターン→歩いて逃げる」になります。
・「Uターン」とは?
言葉ぐらいは知っていると思いますが180度の方向転換になります。
単独飼育であろうが多頭飼育であろうが、水槽飼育においてもこの行動を見る事ができます。
例えばエサを貰う場合では確認しやすいですが、ザリガニが背を向けた状態でこちらの存在に気付くと「クルっと」反転する事がありますが、これが「Uターン」になります。
・ザリガニは動きが速い?
基本的にはモッサリした動きが多いですが、ここ一番ではかなり俊敏に動き甲殻類の中でもここまで高頻度で綺麗なUターンをする生き物はザリガニぐらいではないでしょうか?
・隠れ家の中でも「Uターン」
自然環境下のアメリカザリガニの行動パターンを確認すると、水槽飼育下でも「この環境」を用意してあげた方が圧倒的にザリガニの「動き方」が良くなります。
・つまり「隠れ家」とは?
「穴の中に入ること」が全てとは言い切れない側面がありますね!
むしろ、ザリガニが「身を隠しながら自由に動ける小空間」と考え、「環境」として用意してあげる方が理想的と言えます。
・「塩ビパイプの隠れ家」では?
これは以前説明用に作った「塩ビパイプの隠れ家」になりますが、興味があれば適当に関連記事を探してください。
この記事内では補足説明を省きましたが、しっかり「中でUターン」ができる構造にしています。
この隠れ家を正位置で配置する場合の例えになりますが、ゆうにアダルトサイズがこの空間の中に入れるスペースを確保しています。
・「Uターン」に必要な広さは?
アメリカザリガニは尻尾を丸め、大きなハサミも胴体側に曲げればかなりコンパクトになるので、「TL相当」の広さ(大きさ)があれば問題なくUターンが可能になります。
が!
これは平面(cm2)での考え方になり
水槽をしっかり空間(cm3)として使えれば、更に小スペースでも「Uターン」が可能になります。
先ほどの「塩ビパイプの隠れ家」でもう少し補足しますが
赤く塗った部分が「下段の空間」になります。
この隠れ家では更に上段に4本の塩ビパイプを取り付けましたが
青く塗った部分が「上段の空間」になります。
この「赤(下段)と青(上段)の層」を合算してやるとそれなりの空間になりますね!
つまり?
ザリガニがこのように動ける「隠れ家」になります。
紫(空間)を中心に4つの出入り口を設けているので、ザリガニは空間の中で自由にUターン(方向転換)ができ好きな方向へ移動できます。
オマケで言うと、塩ビパイプを使ったことでそれぞれが「穴」としても有用になるので正にハイブリッド仕様です!
そういうわけで!
これが何なのか知らないんだけど、こういう感じで穴を開けると先ほどの「塩ビパイプの隠れ家」と理屈は同じです!と説明しました。
こんな感じですね!
ただ、使ったこと(※実証)がないので側面に開ける穴の数や大きさはテキトーになり、あくまでもイメージと言うか動作を保証するものではありません。
多頭飼育に限らず単独飼育においても、これぐらいの容量の隠れ家を1個入れるだけで非常にザリガニの「動き方」が良くなります!
いや~しかし毎度長いねw
できるだけ文字数を減らそうと頑張っていますがこれが限界ですw
そういうわけで!
ここまでは前回の続きで
ここからが【本編】ですw
・そもそも照明とは?
水槽内部を照らす物になり、原則的に屋内水槽では必要になり、屋外水槽では不要となります。
・水槽における照明の重要性
水生生物を水槽で飼育するにあたりライティングが必要になります。海水アクアリムでは「光の演出」として「特に」の傾向ですよね!
ザリガニ水槽でも「光の演出」ぐらいしても良いと思うけど、全般的に言える事は「色味(式温度)」か「明るさ(㏐ or lux)」のみで語られる事が多いですね!
・ザリガニでは?
ザリガニごときに照明をしっかり考えている人は絶対に少ないと思います。
以前どこかで『日照時間が大事よ!』と書きましたが、アメリカザリガニの飼育においてはもう一つの概念…
・「光」と「影」の存在
漠然と水槽飼育から始めた人は「この概念」が絶対に無いと思います。むしろ、持ち合わせていたら相当センスが良いと言うか『あぁ日本人だなぁ(←意味深)』みたいな。
現在室内でザリガニを飼育してる場合は、部屋の照明に依存(時間&明るさ)した環境になっていることが多いと思います。
果たしてそれで良いのか?
・だから…照明…
魚類の飼育や水草水槽ではバーンと照らして終わりですよね?甲殻類のシュリンプもバーンで良いんじゃないかな?
ザリガニもバーンで良いのかな?
・「点光源」と「面光源」
照明器具の歴史を振り返れば、一昔前までは蛍光灯が主流でしたが近年ではLEDに変わりました。
言える事はどちらも「面光源」になります。
・「面光源」とは?
簡単に言えば「影」ができないライティングになり、身近なものではコンビニの店内はマンマ「面光源」ですよね!
要は「隅々までしっかり明るく見やすい」になります。
・「点光源」とは?
文字通り一点からの光になります。
高い位置から「点」の光源で対象を照らすともれなく「影」が出来ますね!
・ザリガニはどっちが好き?
問答無用で「点光源」を好みます。
と言うよりは、アメリカザリガニは「常時明るい環境」を嫌がります。
例え知識不足で知らなかったとしても、嫌がる環境を維持するという事は直結して「脱走」に繋がりますね!
「脱走」についてはこれが「核」になります!
・我が家の光源は?
「点光源」や「日照時間」をしっかり管理する事は非常にメンドクサイですね!
僕はそういうのが嫌いだからベランダに水槽を置いています。
つまり?
照明は「太陽」になります!
「eco」と言うよりタダ♥
これでは全く参考にならないと思うので使ってる照明を紹介しますが
【DC12V-35W-3200㏐-4100K】
ベースは自動車用の「HID」
「メタハラ」と書いた方がしっくりくると思いますが、平たく言えばガラス管内の水銀蒸気中でアーク放電をしてるので「水銀灯」です。
日照時間が短い冬季は重宝するし、紫外線も含まれるので水草(アナカリス)の成長にも有用となります。
・「点光源」を採用すると?
ザリガニにとって狭い環境でもストレスを減らす事ができます。
『これぞ自然環境!』ということで、とにかくコントラストが美しいですね!
ザリガニが生き生きとしてるのがわかりますかね?
赤いザリガニですよね?
これは1年以上前のアメリカザリガニの飼育を始めた2ヵ月後の飼育環境になります。
・点光源における「影」
「影」の重要性は後述しますが、「影」に入るだけでザリガニは「隠れてる気分」になります。
・「隠れてる気分」とは?
これはマンマですが、体が直接隠れてなくてもザリガニが『しっかり隠れてるんじゃね?』と思える状態のことです。
これは「塩ビパイプの隠れ家の検証編」の最後で出した画像です。
「隠れてるけど隠れてない」状態と説明しましたが、この状態でもザリガニは安心しますね!
つまり?
・「隠れ家」………
「形」に拘る意味があるのか?
これは落ち葉で隠れてる抱卵個体。
これでも十分なんですよね。
・「隠れ家」というワード
そもそもこの言葉が悪いんだよ!
「家」という漢字を使うから必然的に「形」に囚われるんだよ!
これも抱卵個体ね!
・「空間」こそ最上級
これは以前作った「第3の親子同居冬眠水槽」の別カットです。
「明暗」がハッキリしてますね!
中間部分の「光の線」が綺麗でしょ?
まぁこのあたりは「正誤」よりも「好きか嫌いかの感性寄り」になるので適当に好きな感じに収めれば良いのではないかと。
次が最後になりますが
これは以前作った「無ろ過無エアレ無水流環境」ではない「有ろ過有エアレ有水流環境」の方です。ややこしいなw
一番上の石の下には「影」と「空間」が広がります。
結果として?
ザリガニは安心して産卵ができます。
左側に大きなハサミが写っていますが、それは一緒に入れてるオスね!
『多頭飼育がどうたらこうたら』と言う人が一定数いるみたいですが、自然に近い環境を作る事が出来ればこの距離間でも襲われる事はほぼありません。(※絶対ではない)
襲われそうになったら逃げるでしょw
これは同環境の抱卵後になります。
お尻が出てますが手前のガラス面側にザリガニがいますね!
こっちからは丸見えですがザリガニはルンルン♪♬です。
ちょっと長くなりましたが、アメリカザリガニにとって『隠れ家とは形にあらず』が理想的だと思います。
『「影」や「空間」は本当に必要なのか?』と思われる人もおられると思いますが、皆が皆必要ではないし無くてもザリガニは健康に育ちます。
ただし!
「飼育」が好きな人は導入しても面白いと思いますよ!
最後に【抱卵個体】の話を持ってきました。
もちろん続きがあります。
そして!
この「影と空間」がアメリカザリガニの習性を考える上で「あるモード」を切り替える為の「ON/OFFスイッチの役割」を担っていると僕は考えています!
この続きは【奮闘記】の方になりますが、「抱卵個体へのエサやり」になります。
終わり。