【 クロベンケイガニ 】
大阪城公園内の「人工の小川」で発見捕獲した生体ですが、現在は我が家で一時保護を継続しており今後の処遇についてはぶっちゃけ未定です。
これには個人的な理由があり当初は原種カラーの「サワガニ」を予定していましたが赤茶のブサカワですよ。このクロベンケイガニは動き方を含め思っていた以上に蜘蛛に近い。既にそれなりの大きさだしアシダカグモを彷彿とさせる…蜘蛛が嫌いなんだよ(真顔)
そうは言っても飼育をしようと思うと“それなり”の環境が必要になるので今回はズバリ【環境】の作り方を小学生&保護者向けに書いてみたいと思います。
・そもそも環境とは?
何だろうね?知らんわw
冗談はさておき、僕はこの【環境】という言葉を使用するにあたりある程度の定義付けをしていますが、「環境省」という名前の省庁があるように本来は幅広く使われる言葉でもあるので「ふわ~っ」と入って頂ければ良いかと。
・だから環境って何?
アクアリウム関連でこの【環境】という言葉がどの程度使われているのか?ちょっとわかりませんが…というか、どのような意味合いで使っているのかも使ってる人によって異なると思うので詳しくは使ってるその人に聞いて下さい。
・ズバリ環境とは?
あくまでも僕の個人主観であり当ブログにおいての定義となりますが、ズバリ【自然環境】を指します。すなわち「自然」を知らない人が使う「環境」と僕が使う「環境」は完全に別物になります。
ココが少し難しいかな?
・環境を“作る”とは?
まず平たく水生生物といっても多種多様であり千差万別ですが、とりあえずアクアリウム全般に当てはまるであろう
◆砂利はどれを使う?
◆流木を使う?
◆水草はどれがいい?
◆pHや水質は?
こういう感じ?
これらの組み合わせ等で悩むのかな?ちょっとザリガニ種で考えてみると
◆落ち葉はどうする?
◆エサは何がいい?
この辺りが追加されるのかな?
実質的にはもっと複雑でいくらでも追求できますが、およその家庭での飼育を全10段階に分けると多くの人が悩んでいる部分は【4.】以降であり肝心要の【1.2.3.】が割と抜けています。
・そもそも論として
まず大前提として水生生物は【水】が無いと死にます。その「飼育水」を作り込み維持することで生き物の体調を落とすことなくしっかり育てる事が可能となりますが、この辺りが犬や猫の「哺乳類」との大きな違いになりますよね。
今回のカニさんはザリガニ種と同じ「甲殻類」になりますが、生物学上の「分類」や「学名」は覚えても飼育に役立つことは特に無いから置いといて飼育ベースで考えると「水生昆虫寄り」になります。つまり「魚類」とは異なるわけで「さかな」とは違うんですよ!
大丈夫?
「ヤゴ」を引き合いに出すともう少し分かり易いと思うので…
【 ギンヤンマのヤゴ 】
ヤゴとはトンボの幼体で羽化するまでは水の中で暮らしています。これは羽化する直前で大気に順応するために水面に上がっていると思われますが…
が!
この中に入れ続けたらどうなるでしょうか?もちろん壁際から上がろうと必死にもがくと思われますが、ツルツルのプラスチック素材で足が掛からないから登ることはまず不可能です。
一生ヤゴとして暮らすのか?
体の成長を止めることができないので最終的には何とか壁際で羽化を試みると思いますが、当然ながら綺麗に羽が伸び乾くこともないのでその後に待っているのは「死」ですよね。
つ ま り ?
羽化が近づいてくれば羽化用の木の枝をそれなりに用意しておけば何も問題はありません。
これが【環境】なんです!
少し補足しておくと
我が家ではヤゴの生餌としてメダカをチョイスしましたが、日中は水面付近によく上がってくるのでヤゴも水面付近まで移動できる【環境】にしておけば原則的に放置で羽化まで持って行けます。メダカが減ったら追加するぐらいだね。
と か ね ?
【 なんかのカメ 】
カメはだいたいどの種も日向ぼっこが好きですが理由を知ってますかね?現在飼ってる人が知らなかったら致命的じゃないかな?
【 オカヤドカリ(小) 】
楽しそうに木登りをしてるよね。基本的な【習性】はヤシガニも同じですがけっこう木に登るからね。
【 なんかのカエル 】
アマガエルぐらい機動力があれば環境の作りごたえがありますが、このようなデブガエルはよく分かりません。
・つまり環境とは?
飼育対象の生き物の【習性】をしっかり理解し、無理なくできる範囲で【自然】に近い状態にしてあげること。
逆説的には習性さえ理解しておけば人間“目線”の自然“ぽさ”など不要ということ。
別にこういう物を否定してるわけではありませんが、水生生物の種類によっては贅肉ダルダル状態で無駄が多いって事ですよ。それにここまで作り込むとそれなりにお金もかかるだろうし。
・つまりそういうこと
カニさん…ザリガニ種…ヤゴ…その他ではタガメやゲンゴロウ等の水生昆虫に一部の両生類を含め、これらは「さかな」とは違い【環境】を作って初めて生きてくるし安定した長期飼育も可能となります。
特に淡水の「さかな」なんて飼育水を作り込みエサをパラパラやって終わり。大型種になろうが基本的な飼育方法は同じでありぶっちゃけ簡単でむしろ暇。さほど頭を使わないからね!
一方の水生昆虫等は?
飼育水を作り込む所は当たり前すぎて当ブログでは端折っていますが、「さかな」とは異なり飼育水を作った所が【スタートライン】なんです。ここから【環境作り】が始まり内部を仕上げる必要がありますが多くの人がわかってないんだよね。だって【自然】を知らないだもん。
たぶんザリガニが特に酷いんだけど完全に「さかな」と勘違いした飼い方が横行しt…そもそも残念なことに勘違いに気付いてないからなw
そういう意味で「生け簀」という言葉を当ブログでは使っていますが、何も水槽サイズの話ではなく規格90㎝水槽を用いろうがピントがズレていればそれは「生け簀」なんですよ。
それでも「生け簀」って言葉にピンとこない人もいると思うのでもっと的確な言葉を使うと…
【昭和の動物園】以上。
ただね、ザリガニ種の環境作りは完全に【物作り】の分野だから、いくら【自然】を知っていようがただの生き物好きではやっぱり難しいと思います。電動工具とか持ってないでしょ?
参考程度に書いておきますが、僕が作るザリガニ種の【環境】は外側の“箱”以外の内部は既製品では役に立たないから全て手作りです。ぶっちゃけ流木とかあろうがなかろうがどうでもいいからね。水草や落ち葉なんかも所詮は脇役。
つ い で に !
・繁殖について
実は問題視してるんですよね。
カニさんについては繁殖をさせようと企む人は少ないと思いますが、「色遊び」ができる水生生物については割と「繁殖ありき」みたいな感じがします。
どのような目的なのかは人によると思いますが、どうも「繁殖」に成功すると『飼育が上手い!』になるのかな?シランケド
本来「繁殖」とは長期飼育の先にあるもので、一部の種を除き正しい飼育ができていれば結果に繋がります。ただね、一般家庭向けに補足するとオススメは出来ません。むしろやらない方がいいですね。
アメリカザリガニの繁殖なんてかなり悲惨ですが、生まれた後の管理が大変で時間がいくらあっても足りないし箱の数を増やさないと対処できません。
これまた参考程度になりますが、我が家では軽い気持ちでアメリカザリガニの飼育を始め2年が経った頃には大小合わせガラス水槽が13個、その他の容器が6個まで増えました。もう減らしたけどね。
「色遊び」をするには【累代】が重要になるみたいですが、飼育設備にかけた手間、その他モロモロを総コストとして時給計算まですると買った方が圧倒的に安いです。
そういうわけで!
長くなったので続きは【中編】になりますが、こちらが本体というか基本的な考え方を書いていきます。
続く。