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【何が難しい?】首里城の復元(復原)に向けて“難しい”課題とは? #ノーサイド

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週が明けて色々と情報が出てきましたね。

 僕は大阪生まれの大阪育ちで沖縄県とは縁もゆかりも無いわけですが、高校は建築科に通っていた元建築屋です。首里城の復元には物凄いエネルギーが必要だったことぐらいご教授を頂かなくても理解しています。そして心が痛いです。

 出火原因であったり責任の所在であったりと誰かを悪者にしなければいけないんでしょうね。

ただね?

 昨年の台風21号で関西国際空港の連絡橋にタンカーがめり込み福岡県の運輸会社がフルボッコになりましたが、色々な要因があった中で結果論での魔女狩りはどうかと思うし、そんな事は後回しで復元へ向けて議論を進めていけば良いんですよ。

 思想信条はちょっと置いといて、デニー知事は沖縄生まれの沖縄人です。本質的にはこういう人が知事にならないといけないわけです。

 11月1日の話だから火災の翌日ですよね。やっぱり事が事だけに対応が早いですよ!

ノーサイド!

 日本国政府と沖縄県は「米軍基地問題」を巡って幾度となく対立し未だに終着点が見えません。しかし、その事と本件は何ら関係ありません。

つ ま り ?

的外れな意見です。

 確かに先の台風15号、19号、21号によって関東地方+その他地域に甚大な被害が出ました。感情論で被災者に予算を回せという気持ちも理解できます。ただね、世の中には困ってる人がたくさんいるわけで、これらを極論で言っちゃうと『もう一度定額給付金でも配っとく?』みたいにならない?残念ながら自然災害については地方公共団体が主管となります。

【放水銃】

火災の熱気で人が近づく事が困難だったようです。

【カラーコーン】

 先ほどの「放水銃」よりも離れた場所にあったわけですが、火災の熱気によって完全に溶けています。あっ…これは…無理だわ。




 

でだ!

【火災前の首里城】

 去年の骨折が悔やまれますが本当に残念。まさかまさか焼失するなんて夢にも…

 簡単に言えば日本と中国の文化が入り交ざった【琉球文化】なのでどのような建築様式なのか詳細は不明。今年1月だか2月に完了した30年に渡る復元において国庫から73億円が拠出されたのかな?とりあえず総工費が260億円かかったそうです。(正殿は33億円)

 とりあえず30年に比べ人件費や材料費が上がっているので33億円では復元できないでしょうね。

ちなみに?

【奈良県-平城宮跡】

この第一次大極殿だけで180億円かかっています。

なお、総事業費は796億円。

 このような文化財クラスの建物の復元にはお金と時間が必要となりますが、正直なところ理解できないも多いと思います。

 簡単に説明すると「当時と同じ建て方」をする。ということで、もちろん同じ産地の木材、同じ工法で一から作り上げます。だからね、すっげー時間がかかるの!

だから価値があるわけ!

【光付け/ひかりつけ】

 石の上に隙間なく柱を立たせる技法です。良く見ると柱が丸(円柱)ですよね?神社仏閣にはこのような円柱の柱が良く使われ首里城でも確認できます。

どうやって作るか知ってますかね?

 そもそも「木」は太陽が良く当たる南側の成長が早いので年輪も南側が広くなります。つまり基本的に断面は真円ではなく楕円になります。

まずは8角!

真円の柱にする為にまずは8角形に切断加工します。

意外だったでしょ?

 だから実際に使われる原木は若干の反りによるロス分も考慮し物凄く太い物が使われます。

…!

理解できましたか?

 「8角」→「16角」→「32角」→「64角」の工程を踏み、最終的にかんなで面取りをして真円にします。

1本の柱は何mだ?

それが何本必要だ?

 『工作機械で削れば早くね?なんて声が飛んできそうですが、歴史的な建造物の復元は全てこんな感じです。このクラスの原木は乾燥だけで3年~という月日が必要になりますが、まずは乾燥させないと加工ができないからね!

【和釘&継手】

これも建築様式(時代)によってバラバラです。

・何が難しいのか?

燃えた灰すら価値があるので手作業で分類をし保存をする方向だそうです。

まずは職人不足です。

次に資材不足です。

 職人は内地の宮大工をかき集めれば何とかクリアしそうですが、大問題なのが後者の深刻な資材不足になります。

 古都で有名な奈良県や京都府の神社仏閣では「総ひのき造り」が多いですね。中でも最上級とされているのは奈良県産の吉野ひのき」になります。世界最古木造建築である法隆寺もこの吉野ひのき」がふんだんに使われているとされています。

 琉球王国は薩摩藩(鹿児島県)との取引があったそうなので九州産のひのきが使われていると思ってましたが、高温多湿の亜熱帯気候であることから首里城には「イヌマキ」という木が使われているそうです。

そして、この「イヌマキ」。

 現在の沖縄県にはほとんど残っていないそうで思い起こせば70数年前の太平洋戦争。日本の都市という都市が空爆で焼け野原になる中、悲惨極まりない唯一の地上戦を繰り広げたのが沖縄県でした。そして、自生するイヌマキのほぼ全てが焼失しています。

 10年ほど前から植樹が行われているそうですが、柱や梁に使える太さになるまでに100~150年かかるそうです。

 先の復元では台湾からの輸入に頼ったそうで、今回も台湾がいち早く「イヌマキ」を提供してくれるそうです。国としては常に中国の脅威と戦っている小国ですが、東日本大震災時も200億円を越える義援金を送って頂いてます。日本人は絶対に台湾を忘れてはいけません。いやマジで!

 後は首里城のシンボルカラーである朱色ですが、これも本来の製造工程で作ると50年ぐらいかかるそうです。「絵付け」「彫り物」もかなり特殊らしいです。

つまりだな…

 政府がぽーんとキャッシュで300億円を用意してくれようが、内地の手待ちの宮大工を沖縄県に集結させたところで現状は何もできません。

この辺りを薄っすらでも知ってる人が

この映像を観たら言葉が出てこないよ…。

 

とにかくだ!

 終わった事をグチグチ言っても何も始まらないから、経済的に余裕がある人は募金をお願いします。

 後は沖縄県知事が陣頭指揮を執って踏ん張らないとこれまた始まらないので、僕も思想信条は違うんだけど「首里城の復元」については是非頑張って頂きたいと願っています。

これは時間がかかるわ…。

終わり。




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