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【後編-水害被害から守れ!】大阪市のリーサルウェポン #なにわ大放水路

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【会議室】

 「なにわ大放水路」建設当時はそれなりに説明会や見学会があったのかな?記録に無いみたいなので詳細は不明。まずは放水路の概要の説明がありました。

 大阪市の下水事業及び放水路のパンフレットや事前に送っておいた質問状の回答などです。

 放水路内に入るにあたりヘルメットと軍手を…これはお約束ですね!ヘルメットのマークは大阪市の市章になり、「澪標 / みおつくし」とも言われ天保時代に使われていた水路の標識だったそうです。

【地上側EV】

 住之江抽水所は地上16m、地下40mの構造なので合わせるとマンション19階建て相当になりエレベーターでの移動となります。

【地下側EV】

 この場所が地下4階の表記になっていますが地上からの深さは不明。奥に非常口が見えます。

 建物内部は打放しコンクリート仕上げなので無機質ですね。基本的に人が立ち入らない施設なので完成から19年経った今でも非常に綺麗な印象でした。

 分電盤が確認できますがこの場所が水の入り込まない最後のエリアとなります。

ここからは階段で降ります。

 横に「着水井」のPOPがあり奥に物々しい扉が確認できます。放水路の最大稼働時はその扉の向こう側まで水が押し寄せることになる設計だそうです。

【その扉】

 扉の淵にはゴムシールが確認できハンドルまで付いています。これによって下から上がってくる濁流の浸入を完全に止めれるそうです。

何がどうなっているのかサッパリわかりません。

 左奥の職員の立っている場所が階段です。向かって右側のボコボコと隆起した形状が【なにわ大放水路】の終点となります。

場所はこの辺り

職員の奥に長細い竪穴が確認できます。

 この奥に主ポンプが控えており手前に金網が確認できます。この大きさをすり抜ける物体であれば雨水と同時に排水できるわけですね。

 主ポンプが6台なので縦穴も6個ありそれぞれが独立しているので万が一の場合でも残ったポンプで排水し続けることが可能となります。

【最奥】

とにかく物々しい

 汚泥が少し確認できます。この放水路は基本的には空の状態ですが大雨が降るとたまには稼働するそうで貯留後にメンテナンスをするそうです。

 画面の下1/4の所らへんで壁の色味が変わっているのでこの程度の稼働はしばしばあるのでしょう。

 さっきからチラチラ映ってるコレ。縦穴を塞ぐ鋼鉄製の仕切り板になり、左右にガイドレールがありスライド式で降りてくる仕様になっています。

 何かしらのトラブルが発生しても単独で雨水をシャットアウトできる構造になります。1枚あたり相当な重量だろうし何よりこのワッフル形状」ですよ。

 最大でこの場所が満水になる計算らしいのでこれぐらいの強度を出さないとひん曲がるんでしょうね。例えば自動車のドアの半分までが浸水すると成人男性でも内側から開ける事ができなくなるらしいですが、水が押し寄せ発生するトルクは簡単に人の想像を超えてきます。

空気口ですね。

一連の設備の反対側…

なにわ大放水路

 なんかねぇ…物々しさを越えて非現実的な不気味さを感じます。緊急時はこの奥から濁流が押し寄せてくるので想像したらちょっと怖いですよね。

 幹線の内径は6.5なので成人男性が立つとこのぐらいの大きさです。この6.5m区間が総延長12.2㎞のうち9.5となります。

【ブラックホール】

 幹線の中央には小さながありちょろちょろ水が流れています。コレのおかげで基本的には乾いた状態なので長靴が無くても最奥まで歩いていくことが可能です。ただし、途中から管轄が変わるそうです。

 幹線はセグメントと呼ばれるリング状の構造物で組み立てられた一次覆工後にその内側を現場打設でコンクリート(二次覆工)で仕上げている二重構造になっています。

 打放しコンクリートの対応年数は50年と言われていますが、将来的にはこの内側のコンクリート部分を撤去することで内空断面機能を変更することなく補強が可能となっています。

 汚泥が堆積した箇所に生命を発見しましたが、日光を遮りこのような地下空間で栽培する高級食材があったよね?たしか。まぁどうでもいいけど。




【アクリル模型】

 複雑な構造である住之江抽水所の模型です。発注したらいくらかかるだろうね。絶対に高いと思います。(笑)

【事業費 内訳

 【なにわ大放水路】の幹線部分の事業費は590億円でしたが、このポンプ施設(上物込)で398億円。接続する準幹線も別途建設費がかかっています。

 浸水による漏電を防ぐ為に放水路からポンプ室へ行くだけでも一度エレベーターで上がり、施設内を移動し別のエレベーターで降りて向かいます。

 映画の撮影で使用できそうな無機質感でやはり比現実的な独特な雰囲気があります。

 職員がハンディライトを持参していますが、本来は電気を付けずに巡回点検をするそうで今回の見学取材にあたり一連の対応をして頂いております。

【エンジン室】

 この場所も普段は真っ暗ですが撮影の為に照明を付けて頂いております。住之江抽水所の施設内で一番広い空間になるのかな?簡単に言うと「自動車のエンジンルーム」です。

場所はこの辺り

 左側に見える太い管がエンジンからの排気ガスを天井から外部へ抜くための排気管なので「自動車のマフラー」に相当します。手前から順番に番号が割り振られていますが、この「エンジン&減速機」全て独立した設計になっています。

【エンジンスペック】

【エンジン】

排気量:不明
型式 :V型12気筒
馬力 :6660ps

 製造メーカーは自動車でお馴染みのダイハツ工業株式会社で大阪資本の大企業ですね。スペック的には船に載せるエンジンだろうね。

【減速機】

【吸音材】

 6台のエンジンがフルパワーで稼働すると人がいられないぐらいの物凄い音になるそうです。後は排熱も凄いそうです。

【吸気口】

【排気口】

 エンジン室に入った瞬間に気付きましたが、ディーゼルエンジンの燃料であるA重油()を定期的に回してるので化石燃料独特の匂いがそれなりに充満しておりソレを室外へ抜く為…排熱を逃がすために設置していると思われます。

A重油とは?

JIS規格によって「1種-3種」にまで分類さており日本独自の規格。ディーゼルエンジンの燃料としては軽油と成分がほぼ同じで若干炭素含有量が高い程度。自動車用の軽油との決定的な違いは軽油取引税(1ℓあたり32.1円)が不要

【監視カメラ】

 このカメラで住之江下水処理場から稼働時に異常がないか監視をしてるそうです。サボってたらバレるね(笑)

【主ポンプの模型】

「縦軸渦巻斜流ポンプ」が正式名称になります。本物はもっと大きいわけですがこの模型も鋼鉄製で出来ています。

 原理はアクア用品の「水中ポンプ」と同じで下から上に水を吸い上げる仕様です。形状が凄いよね。砂利等が混ざった泥水をガンガン吸い上げても壊れないだけの構造になっており、もちろん特注品です。

【スペック】

吐出量:750㎥/m
揚程 :27m

バケモノだな(笑)

 

 これが【なにわ大放水路】基幹部分の全容となります。一般見学ができない中で対応して頂き本当にありがとうございました。

いや~しかし凄い!

あまり固い内容ばっかり書いてもツマラナイので最後に少し本音を書かして頂きますが…

大阪市民は274万人

この【なにわ大放水路】で観れた民間人なんてそう多くないからね!

エエモン観せてもろた!

 

おおきに!!!

 

完。




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