前回ザリガニの寿命を伸ばす方法【エサ編】を書きましたが、今回は【環境編】です。
ざっくりと飼育環境の内容になりますが、前回同様に僕のアバウトな直感になります。
ザリガニの飼育環境をできるだけ向上させるのが目的ですが、なにぶん素人目線なので間違った内容があるかも知れませんが…
少し項目が多いので分けて記載します。
【1.水質】
アメリカザリガニはドブ川でも生息できる程たくましいですが、家での飼育においては無色透明が望ましいと思います。
鯉や金魚の飼育ではグリーンウォーターが良いとされているので家の金魚もこれで飼育をしていまが、アメリカザリガニについてはグリーンウォーターでの飼育の記事が見当たりません。
たぶん悪くはないと思うんですよ!
ただ、全く見えないので鑑賞目的には不向きです。
また、脱皮や交配、産卵等も一切確認ができないので水槽内部の変化に気づくのが遅れるためオススメとは言えません。
水質を維持するために必要なろ過装置ですが、これは大きく分けて3種類あります。
奥が深い分野で説明しにくいですが、ざっくり言うとザリガニ飼育に必要なろ過は2種類になります。
1.外部フィルターによる物理ろ過
大小様々な物が発売されていますが、食べ残したエサや糞、浮遊物を取り除くフィルターになります。水槽の大きさや生体の数によって適正サイズが決まっています。
2.バクテリアによる生物ろ過
入門者は見落としがちなバクテリアによる分解。カルキを抜いた水道水は無色透明で一見すると綺麗な水ですが、これではすぐに水が汚れ換水頻度が増します。
ペットショップで購入(値段はピンキリ)できるので水槽の立ち上げ時に必ず使ってください。
【2.水量】
ザリガニを飼育する時に悩むのが水量だと思います。
大きく分けると
・金魚のようにドボンと浸けるのか?
・亀のように体が浸かる程度にするのか?
ですね!
水質が良いという前提で言えば『どちらでも構わない』になると思います。
ただ
屋外飼育においては水量が少ないと急激な水温変化が起こる可能性があり、生体にとっては単純に負担になるのである程度多い方が望ましいと思います。
【3.エアレーション】
【2.水量】に関わる内容になりますが、ドボンと生体を浸ける場合はエアレーションが必要になります。
これなんて何百円で購入できますが、空気を送るチューブを登ってザリガニが脱走する可能性があるので対策が必要になります。
また、電源が必要になるし分岐をしても水槽の数だけ揃えるとなると…イニシャルコストがかかるし…
メンドクサイよね?
まぁ…これは僕の事ですが…
こんな感じで上部フィルターの水をダイレクトに落とすことでエアレーションを発生させることが可能です。
これなら電源も上部フィルターだけで済むのでお手軽ですね!
合理的なので僕はこの仕様で飼育をしていますが、注意点が2点ほど…
1.水がよく跳ねるので室内に置く水槽には不向きです。
2.ドボドボと少し音が大きく、特に深夜帯では響くのでマンションのベランダ等では苦情が入る可能性があります。
ザリガニが酸欠にならない水量は体が浸かるぐらいなので
これぐらいであればエアレーションは不要です。
【4.水流】
意外と大事な水流
水は滞ると腐りやすいので水槽内で水の流れを作る事をオススメします。
今まで使っていたザリガニ水槽では
赤の矢印が水の流れになります。
中央にザリガニが隠れれる鉢を置いているので若干異なりますが、実際はポンプから落ちた水が「S字を描くように」水槽内部で水流をつくり下段水槽に落水します。
こちらが下段水槽の水の流れです。
水量を調節して斜めに落水させると水流が生まれます。
以前この工具入れ水槽を『理に適った』作りにしたと書きましたが、この事です。
っというのも
この水槽を立ち上げて3週間を超えもうすぐ1ヵ月になりますが、1度も換水をしていません!
ベランダに置いている都合上、足し水をしていますが現状はノーメンテです。
上段にザリガニが1匹、下段にモツゴを80匹ほど飼っており
エサも1日2回しっかり与えています。
この水槽はフィルターのろ過をしていませんが、水質が安定しているので臭くありません!
もちろん生物独特の生臭さが若干ありますが、しっかりした環境で飼育するとザリガニは臭くなりません!
【5.水槽の大きさ】
これもザリガニ飼育において悩む所ですが
・どれぐらいが適当なのか?
これは単純に飼育目的によって変わると思います。
・単独飼育にするか複数飼育にするか?
・(死なない程度に)飼育できればいいのか?
・野生本来のアクティブな姿を見たいのか?
こんな感じですかね?
【エサ編】で「劣悪な環境」と書きましたが、これはろ過が出来ていない小さな水槽の事で
例えばバケツや昆虫用の小さいケースにこぶし大の石を入れて少し水を張るだけ。
こういう感じで亀やザリガニを飼うケースがあると思いますが、これが劣悪な飼育環境になります。
わざわざ水槽を買いたくない場合は砂利を2㎝ほど敷き、こぶし大の石を6個ほどランダムに組んで水を出来るだけ多く入れてエアレーション、バクテリアと水草を入れて市販品のエサを与えれば長生きすると思います。(たぶんね!)
しっかり水槽で飼育する場合は、30㎝水槽に1匹が理想だと思います。
60㎝水槽で2匹(ペア)という事になりますが、ストレスを考えるとこれが限界かな?
水質の維持を考慮すると大きい水槽に越した事がないし、ペットショップのように小さく隔離して複数匹を同時飼育することも可能です。
はやり目的ですね!
【6.明るさ(紫外線)】
ベランダに水槽を置くと直射日光が気になる所ですが、紫外線によって弱るのか?
これは正直わかりませんが、ザリガニは暗所を好みます。
我が家ではすだれと人工芝生マットを使っています。
すだれの方が光の通過率が良いので水草の育成もできますが、季節商品なので秋以降は見つけにくいかもしれませんね!
人工芝生マットはいつでも買えるし耐久性もあるのでオススメです。
【7.水温】
ヒーターが必要かどうか?
ザリガニは冬眠する生き物なので、屋外飼育においては原則不要です。
ここで重要なのが、冬眠による越冬をさせるかどうか?です。
冬場にヒーターを使い水温を20℃以上でキープするとザリガニは冬眠しないので、カラーザリガニやタイゴーストザリガニ等の鑑賞用を室内飼育する場合は使う場合が多いかな?
ヒーターを使う場合はメリットとデメリットがあるので十分理解してから使ってください。
【エサ編】で書いた野生(5~8年)と飼育(3年)の寿命の差を多くの記事で目にしますが、何を基準に書かれているのか全く不明です。
前提というか根拠が無いので『記事の使いまわし?』と表現しましたが、もしもヒーターを使用して1年中アクティブな飼育をし寿命が3年だとすれば『当然じゃね?』って話なんですね!
正に『人生は太く短く』状態です。
哺乳類では熊などが冬眠をしますが、最低限の生命維持活動のみにエネルギーを使うので長期間何も食べずに過ごせるわけです。
ザリガニも同じで冬眠による代謝を抑制すれば長く生きて『当然じゃね?』って話なんですね!
つまり
大阪城公園で今年産まれた体長3㎝ほどのベビーザリガニを8匹捕まえ人工飼育で冬眠による越冬を試みますが、このザリガニ達が多くの記事に書かれている通りにこれから3年しか生存できないのかを知りたいわけです!
共食いや脱走による損失を除き、3年以上生きそうだけどね?
このベビー達は言葉悪く言うと『越冬の練習』なので来年春ごろには大阪城公園に還し3年以上飼育しない予定ですが、大きいザリガニの寿命がわからないので2匹(ペア)ほど残してもいいかな?(予定は未定)
で!
少し話が変わりますが
僕は大阪市でのザリガニ飼育になり、地理的にほぼ日本の中心になります。
春夏秋冬が比較的はっきりした地域なので夏は当然暑いし数年に一度は積雪を観測し、その環境下でのザリガニ飼育になります。
ザリガニを長期飼育する上で大事なことをまとめて記事にしていますが、当てはまらない地域が出てきます。
昨年2016年の北海道札幌市の気温を確認すると真夏日がわずか11日しかりません。
北海道は夏が短く冬が長いわけですが、この環境下でザリガニを屋外飼育すればどうなるんだろう?
半年は言い過ぎだとしても、4~5カ月は冬眠するのかな?
東北以北に生息するニホンザリガニ。
野生の生体は最長10年生きると言われています。
比べ日本全国に生息するアメリカザリガニが5~8年。
種類が違うとはいえ、これって単純比較できないよね?
『冬眠期間を寿命に上乗せ?』って解釈になると思いますが、ザリガニ関連を調べていて僕が一番疑問に思ったのがココでした。
ちょっとニュアンスが違うんだけど、人で例えると日本人の男性と女性の平均寿命の差が7年といわれ、女性の生涯の生理期間の合計とぴったり一致している事が判明しましたね!
逆説では男性が月一で200㏄の献血をすれば寿命が延びるんじゃね?って事ですが…やっぱりニュアンスがちょっと違うんだけど…なんというか…伝わりますかね?…ザリガニの寿命もそういう事じゃないのかな?
続いて同2016年の沖縄県那覇市の気温を確認すると真夏日が137日。
さっき沖縄の人に確認をしたけど、冬場でも20度を超える日があるそうです。
桜が1月下旬に開花する南の島なので当然ではありますが、沖縄でザリガニを屋外飼育するとどうなるのか?
ほぼ冬眠しないんじゃないかな?
冷蔵庫に入れた方が早い気がしますね!
つまり
・沖縄の野生のザリガニは寿命が短いのではないか?
これは本当に気になるところです。
ちょっと前フリが長くなりましたが、ここからが本題です。
タイゴーストザリガニの本場はタイです。
先に日本との位置関係を確認しますが
首都バンコクの緯度が13.7563の熱帯モンスーン気候の国です。
一言で言えば一年中暑い国!
年間平均気温が29度なので、ここのザリガニは絶対に冬眠をしないと思います!
するわけないか!
そこで思ったわけ!
現在人気があり高額なタイゴーストザリガニは、タイから輸入された生体です。
でもさ
冬眠をしていないであろう3歳ほどの生体を購入した所で、どれぐらい寿命が残っているんだろうね?
っというのも
つい先日175歳のザリガニが発見されましたね!
種類が違うという前提があるものの同じザリガニ下目です。
つまり
スロー代謝にできれば寿命が延びるは明白だと言えます。
ただ
冬眠中はほぼ動かないので、鑑賞用として購入した生体の飼育としては物足りないと思う方もいるかもしれません。
そういう意味ではヒーターを使用して冬眠させない飼育というのも個人的にはアリだと思います。
ちょっと長くなりましたが、せっかく飼うのだから元気に長生きしてもらいたと思うのは皆同じだと思います。
なので
できるだけ良い環境で飼育しましょう!って事ですが、本来はその辺のドブ川でも生息できる生き物です。そこまで固く難しく考える必要はないと思います。