何かと話題の「アメリカザリガニ」
2006年2月の改正外来生物法で一時は飼育者が減ったと何処かで見ましたが、2017年初頭に華々しくデビューした「タイゴーストザリガニ」によって息を吹き返したと言うか飼育者が増えたと思います。
僕を含め新規参入者も増えたので「利益」や「思惑」、特に「発色」を巡り至る所でドンパチし合ってますね(笑)
それはいいんですよ。
どんどんやって下さい。
僕は今まで生き物なんてまともに飼っていません。
息子が生まれて数年前から金魚から少し始めた程度なので、生き物業界の「しきたり」なんて知りません。また覚える気も理解する気もサラサラありません。
すっげー不思議なんだけど、「アメリカザリガニ」は色によっては飼育者が勝手に名付けた「ハウスネーム」が存在ます。
何でも「血統」が大事だとか…
物によっては「新品種」と謳ってるそうですね。
もしも「血統」という言葉を使うなら「血統書」ぐらいは用意しないと話にならないと思うけどね?
そして
飼育環境等でも色が変わりやすい「アメリカザリガニ」においては、固定化(F1.F2.F3~)以外の新しい色味の個体においては最低7世代分ぐらいのそれぞれの両親(2の7乗分)を記載するぐらいの厳格な基準を設けないと結局信憑性に欠けるよね?
ちなみに!
我が家で飼ってた柴犬の高そうな和紙に書かれた血統書には2の4乗分だったかな?の親犬が載ってたわ。要は30匹+1匹の記載ね。
ペットショップに出回る犬ではなかったから、全ての親犬が「~~県 ~~犬舎 ~~号」の表記で血を濃くするために日本中の犬舎で掛け合わせた設計図だったね。ウチの犬には「小鉄丸」の名前がすでに付いてたw
とにかく
2の7乗分(2+4+8+16+32+64+128=254匹)+1匹の記載になるから大変だと思うけど、そこまでやればトラブルは回避できますよw
そもそも、『レシピなんて今まで費やした労力が無駄になるから公開なんかできるかよ!』なんて人が多いよね?
じゃあなんで「表」に出すわけ?
少なからず『利益を出したい』というスケベ心か、『俺スゲー』の承認欲求があるんだよね?
一度でも「表」に出せばその後は作出者の意図や想いとは裏腹に勝手に独り歩きをしていくんだから、いらぬトラブルを回避するためにも本当に大事なら『金庫にでもしまっとけば?』と思うけど違うの?
本題がややこしくなる前に「日本におけるアメリカザリガニの歴史」をもう一度おさらいしたいと思います。
1927年に神奈川県に20匹ほどのアメリカザリガニが移入されました。
1980年代に日本の自然下で「白化個体」が見つかり、大阪のとある池のアメリカザリガニがある場所を経由してドイツに渡り、その後タイに移入され「タイゴーストザリガニ」が大量生産され日本へ逆輸入されたと聞いています。
この事実関係はそこまで重要ではありません。
そもそもアメリカザリガニのルーツは北米大陸の「ミシシッピ川」であり、どの色であっても学名:Procambarus clarkiiで統一されていますよね?
「新品種」って何なの?
とにかく
僕は「偶然の産物」で生れた一過性の色味に一喜一憂するほど暇じゃないから全然興味がありません。
もしも!
「体色」によって「性格」の一部までも変わるのであれば、更に「飼育環境の多様性」を考える必要が出てくるからもっと突っ込んで「色」を調べていたと思うけど現状は絶対に無いだろうね!
つまり
ただの「愛車自慢」がアホらしいわけ。
すっげー反感を買いそうな文面になったんだけど、とりあえずカラーのアメリカザリガニを飼育してる僕のような人間はまだ理解できるとしても、これから飼育を始めようか悩んでいるような人々に説得理解ができるぐらいのロジックを構築しないと厄介者の外来種である「アメリカザリガニ」はこれ以上世間様には認知されないでしょうね!
まぁ内々でワチャワチャやる分には今まで通りで問題が無いんだろうけど、すそ野が狭いしこれから衰退していく業界なんだから『みんな仲良くやれば?』とは思いますけどねw
ついでに僕の「立場」を書いておきましょうか!
当ブログ内で『アメリカザリガニを「物」として見てる』と書いたことがあります。
こういう書き方をすると「動物愛護の精神」をお持ちの方々から大ブーイングを食らいそうなんだけど、アメリカザリガニの正しい飼育方法を求めて
すでに1年以上かけて野生の生体を見に行ってます。(※この場所で30回以上)
この「違い」が分かるかな?
ザリガニの為に「専用のオーバーフロー水槽」を2台も作ったんですよ。
この「違い」が分かるかな?
僕が「物」としてアメリカザリガニを見ているのは『有事の際はいの一番で切りますよ!』という意味です。
家族同様の「猫や犬」でさえ認められてないのに避難所に連れて行ける訳ねーじゃんw
だから「平時において」はそれなりの環境で飼育が出来るように心がけています。
なんて言うのかな…
記憶を辿れば誰もが小学校で「アメリカザリガニ」を飼育していたハズです。(※各教育委員会の方針による)
大阪市では現在も「教材」として全ての小学校に導入されています。
一度記事にしてるので興味があれば見て下さいね!
今はこのような単独飼育党の皆さんに支持されそうな「多段衣装ケース」も使われています。
僕はビックリしましたけどね(笑)
それとは別に基本形はやはり昆虫を入れるケースになります。
安定の環境ですよね(笑)
コレについては【第4回 多頭飼育論】で引き合いに出して詳しく補足説明をしますが、当然ながら理由があるのでこの環境になります。
『最悪な環境だ』とか『間違った飼育だ』とか色々言われる事もありますが、通常の家庭での水槽飼育とはそもそもベクトルが違うので、同じ「ものさし」を使うこと自体がすでに間違いになります!
でね
「正しい」というか「本来」のアメリカザリガニの生息環境を知らない子供が多いんですよね!
この小学校で習った知識だけでは「長期飼育」はおろか【アメリカザリガニの良さ】なんて絶対に理解できません!
本記事の前身となる記事はすでに書いていますが、どちらかと言うと「大阪市」に限定された話になります。
ちょっと別件を書いていい?
先に書いておいた方がわかりやすいかと。
今年2018年7月上旬に大阪市がこのような報道発表をしました。
(ページ番号:436088)
柴島浄水場内の水道記念館で繁殖飼育をしてた水生生物の事業を終了した内容になりますが、Twitterをはじめ一定の批判が出たそうです。
『ふ~ん、で?』
『何が問題なわけ?』
要約すると平成17年から10年計画で保護増殖事業を実施し期間満了となる平成27年に事業を終了し、その後は生存する個体の飼育を続けてきました。H24年度から広報予算削減の理由も合わさり、当時の橋下市政への批判もそれなりにありました。
特にSNSでは「動物愛誤」の勘違いヤローが多いから、この手の話題には脊髄反射で批判をしてきます。
H24年度から大阪市が複数年度で予算を組んだ別の事業を知ってるかな?
(ページ番号:437804)
これだよ!
大阪市はH24~H28年度の5年間で大阪市内の全ての市立学校の普通教室に空調を導入しました。(※設置率100%)
今年2018年夏に全国で猛威を振るった「殺人熱波」を覚えてるかな?大阪市においては橋下徹という男の先見性によって個別事案は置いといて大きな問題は発生しませんでした。
『人間と魚を天秤にかけてどちらが大事かもわからんのか?』
じゃあ「ニチザリ」の話に替えるね。
今年7月にこんな記事を書いたんですよ。
この記事もけっこう長いんだけど、しっかり読んで貰えれば理解できると思いますが「過去~現在」の話しか書いてないんですよね!
最後の方にちょろっと「未来」を書いていますが、そもそも「未来」とは自分たちの手で作っていくものになります!
これは重要だよね!
僕の意を汲んでくれたかは知らないけど、この記事内で一番伝えたかったメッセージになります。
この記事内では現在の道内での「ニホンザリガニの総数」を数百万~一千万匹としています。
コレについては北海道内の大規模調査ができないので面積からしか算出できずアバウトな数字になります。
たぶん
『そんなにおらんだろう』という意見が大半を占めると思います。
これも考え方なんですよね!
計算がわかりやすように仮に一千万匹いたとします。
単純に「一千万匹」という数字だけをみると『まだまだ安泰』と取ることができますが
もしも!
わずか50年の間にニホンザリガニが1/300にまで減少した事になります。
こういう数字の使い方をすればインパクトが大きくなり「絶滅へのカウントダウン」になりますよね?
省庁とくに財務省が国民を欺くためによく使う手法ですが、「数字」とは使い方一つでいくらでもバイアスを掛けれます!
でね
昔に比べ減ってるのは減ってます。それも大幅にね!
声に出して「保全」を訴える事も大事でしょう!
でもね…
ちょっとどころか相当ピントがズレてるんですよね!
『乱獲をやめましょう!』なんて綺麗事を言うだけだったらウチの9歳の息子でも言えるんですよ(笑)
SNS上ではそのような非現実的な「綺麗事」を言っておけば「いいね」がたくさん付いて支持されるんだろうけど、所詮はプロパガンダにすらならない戯言で終わります。
このような「ネット番長」にはそれなりのフォロワー数がおり、一つ一つの発言にそれなりの影響力がある場合が見られますが「金を出さない奴」や「行動を起こさない奴」に限って声がデカいというね(笑)
言うだけなら簡単なんだってw
こういう上辺しか考えられない人種に決定的に足りないのが「予算」という現実ね!
そう、全てはお金!
規模はともかく「保全活動」をするには当然お金が必要になります。
誰が出すのよ?
経験に乏しく視野が狭いネット番長どもに言える事は「政治」や「税金」に「再分配」、もっと言うと「基本的なお金の流れ」を知らないんでしょうね。
自分の住んでる自治体や保全活動を必要とする自治体のバランスシートを一回見てみ。開示されてるから!
どこの自治体も社会保障費が青天井で右肩上がりなのに日々の生活に直接影響が出ない分野に使えるお金がどこにあるのか?
例えばこういう事ね ↓
「組長」の可愛らしいニックネームがある我が松井大阪府知事のキレキレシーンです。
これが「政治」なんですよ!
『予算を付けんけど、やれる言うんやったら答えてみいや』
これは非常にわかりやすい例えですね!
でもね、大阪なんてまだ優良よ。
ぶっちゃけ今は使えるお金が多いんですよ。日本の公営地下鉄で唯一黒字化を達成できたのが【大阪メトロ(旧市営地下鉄)】のみ。
2017年はインバウンドの訪阪外国人観光客が1,100万人を超え堂々の日本1位であり、MasterCardが発表した「世界渡航先ランキング」による伸び率では2年連続で堂々の世界1位。観光消費額も軽く1兆円を超えました。
でも柴島は切ったわけ!
この意味が理解できるかな?
柴島について文句があるなら、とりあえず有志の方々で300万円ぐらい用意してくれれば単年度の事業継続ぐらいはできたでしょうね。
これは「ニホンザリガニの保全」にも言える事だけど、本当に大事な存在ならまずは身銭を切ってでも行動を起こすべきだね!
世論に訴えるのはその後ね!
「人を動かすための動機づけ」としては順番が逆で、「行動」を起こさない「口だけ」を誰が支持するのよw
要は経歴や肩書なんてどうでもいいから「今までどれだけ泥水をすすってきたか」を先に書けって話ね。
まぁ「予算」はいいわ。
100歩譲ってクリアになったとしましょう。
次に出てくる問題が「人材」なわけ。
「生き物の保全活動」という非常に専門的なスキルを要する内容にアウトソーシングからずぶの素人を引っ張てくるわけにいかんでしょw
どうやって「安定的な確保」をするわけ?
この辺りが全部抜けてるよねw
「綺麗事」だけで問題が簡単に解決するなら、すでに世界から「戦争や紛争」が無くなってるよ。
とは言っても、僕もアメリカザリガニの飼育を始めたから「ニホンザリガニの現状」をそれなりに知ることができ、出来る事なら日本固有の在来種を守っていきたいとは思っています。
ただねぇ…
「ニホンザリガニ」は絶滅危惧II類 (VU)であり、その上のカテゴリーには
・絶滅危惧IA類(CR)
・絶滅危惧IB類(EN)
これらがあります。
例えば沖縄島北部に生息する「ヤンバルクイナ」は絶滅危惧ⅠA類に指定されています。
日本全国から『先にウチの絶滅危惧種を守ってよ』という声が環境省に続々と上がってくると間違いなくパンクするだろうし、それこそ『予算は?』になるよね?
超現実的な話をすると「生き物の保全活動」って結果が約束されているわけではないから本当に難しいと思います。公費を投入して仮に失敗でもすればもれなく使った額相当の「批判」が出るだろうね。
だからこそ、もっと建設的な話をした方が良いと思うんだけどね。
ニチザリは終わり。
「アメリカザリガニ」に全然関係ない話が長くなりましたが、そろそろ本題に戻りこれが最後になります。
・水槽という環境を再考
これは数カ月前からずっと考えていた内容になります。
少し前の【第1回 多頭飼育論】の最後では
こう締め括っています。
今でも基本的に「この考え」になります。
今まで生き物を飼育してきた人は1度や2度ぐらいはこのようなニュアンスの言葉を聞いたことがあると思います。
今まで大して生き物を飼ってきてない僕ですら聞いたことがある言葉です。
『語源は何だろう…?』
………
「動物園」じゃないのこれ?
やっぱりね、「ゾウ」や「キリン」に「ライオン」等々をあんな狭い空間で長期飼育すること自体が考えようによっては「虐待」と取れます。
絶対に「可哀想」なんて意見ぐらい出てきますよね?
これが「固定概念」だったのかな?と…。
・ではアメリカザリガニは?
日本の自然下は「多種多様であり千差万別」なので一括りにできませんが
僕のホームで再考したいと思います。
この場所は今までさんざん紹介してるので詳細は割愛しますが、大阪市が造った人工物でその辺の天然自然よりも自然が再現された環境になります。
まぁ間違いなく「自然」ですよ!
・この場所の生体は幸せなのか?
「自然に生息=本来の姿≒幸せ」
僕は物凄く引っ掛かります。
この場所には「天敵」がいます。
成長する前に相手を見つける前に多くの生体が道半ばで途中退場をしていきます。
ここは大阪市内でも数少ない「ザリガニ釣りのスポット」なので、3月~11月頃まで子供から大人までが楽しめる場所になります。
特にトップシーズンの6月~9月頃まではバンバン釣り上げられます。
持ち帰ってる人も多いですね。
「その後」はどうなるのか?
直ぐに死なせたり、家の近くの川に捨てられたり、大型肉食魚のエサになったりとそれぞれの運命を辿ることになります。
以前に「アメリカザリガニの寿命」をインターネットで調べましたが、自然下の生体においては最大で10年も生きるとか?
この数字に信憑性はありませんが、この場所のアメリカザリガニたちはこの「自分が生まれた場所」で3年も生きる事ができません。
ザリガニ釣りでは「大きな個体」から狙われます。
だからね
この場所では「TL9㎝」が一つの目安になりますが、それ以上の個体は基本的にいません。
今年9月に「TL11㎝」を見つけました。オマケに欠損無しの完全体です。
この記事内では「無敗の絶対王者」なんて表現で書いたけど、やっぱり気になったからブログには上げてない生体の写真を見直してたんだけど、この生体はこの場所で育ったわけではなさそうです。
たぶんね、ここで釣り上げた個体を持ち帰って1年なり2年なり家庭で飼育をして返しに来たんだろうと思います。
それをたまたま僕が見つけただけの話ですね。あまりにも完璧過ぎるんですよ!
そうです!
漠然と「自然下」でも人が入らないような「池や川」ならまだしも、この場所はアメリカザリガニにとって非常に過酷な環境になります。
たぶん我が家の環境の方が絶対にマシだと思います。「天敵」はいないし、腹いっぱい食べれるし、極端に体調を崩さない限り基本的に天寿を全うできるからね。
もう一つ加えると
秋に生まれた稚ザリたちも春を迎える前に大半が命を落とします。
これらを踏まえると…
アメリカザリガニを水槽で飼育するにあたり…まぁ「何を基準」にするかで分かれるだろうね!
でもなぁ…
タッパー隔離飼育はさすがにどうかと思うけどね。
と言うか、なぜ「あの画」をSNSに上げるのかがわかりません。
確かにあの手法を用いれば各家庭での飼育数の上限を大幅に引き上げれるので、一時的に流通量も増やせますが「事の本質」はソレでは無いんですよね。簡単に言えば「需要の先食い」でありただのドーピングです。
こういう事を書くと「個人攻撃」とか勘違いされそうだけど、この程度でいちいち反応してたらこれからの社会を生きて行けんでw
まぁとにかく!
【アメリカザリガニ】
「必要悪」に留めるのか、「絶対悪」にまで落ちるのかはこれからでしょうね!
『他人事やのぉ~』
とか思いましたかね?
本当に申し訳ないんだけど、息子が『ザリガニを飼いたい』と言ったから僕が飼育を始めただけで、言ってなければ当然今でも飼っていません。
そもそも僕は外に出て行くことが多いから付きっきりで飼育とかしたくないもん(爆)
更に申し訳ないんだけど
そもそも僕は「生き物専業」で生きてきた訳ではないから「アメリカザリガニ」に固執する理由が無いし、仮に【特定外来生物】に指定されても『あぁ指定されたんだ~。』で終わります。
つまり?
耳が痛い話だと思うけど「規制の歴史」を振り返れば飼育歴が長いベテランほどその責務があります。
飼育歴が1年を超えた僕とかならまだしも、たかだか始めて数カ月程度の飼育者や特に学生にまでも『現在ザリガニを飼育してる皆でしっかり問題意識を共有しましょう!』なんて流石に都合が良すぎないかな?
ザリガニの飼育歴が長く先輩風を吹かすのであれば「この問題」についても「今まで取り組んできた事」ぐらいは答えれる、いや答えなければいけないし、それこそ陣頭に立って特に若い人を引っ張って行かないといけないと思いますけどね?
プライドがあるなら「この問題」から逃げずにしっかり向き合って下さい。
普段ならここまで書かないんだけど、やっぱりちょっとストレスがあるんだろうなぁ。詳しくは2日後の記事を読んで下さい。
とにかく!
ザリガニ大好きの皆さんには頑張って頂ければと思います。
大事な事だからもう一度書くね。
「未来」は自分達で作るもの。
終わり。